首相指名選挙で自民分裂バトル
20人の造反で倒閣が可能に
総裁選の投開票直前には、自公維連立政権をめざす「小泉&林」連合の財政規律派に対抗して、「玉木&高市」の積極財政派が手を組み、首相指名選挙で自民党が割れる可能性まで指摘されていた。
政治ジャーナリストの宮崎信行氏が語る。
「もはや自民党総裁選イコール首相選びではない。だから総裁選中から各党との交渉が行なわれてきた。総裁候補たちはいずれも口では挙党体制と言っているが、実際は分断が強まっている。政策面では積極財政か財政規律重視か、支持層が岩盤保守か保守中道層かで自民党内が割れてきている。総裁選でそれがはっきりした」
小泉氏や林芳正氏は財政規律派で保守中道層を支持基盤にしており、この勢力が勝利して自公維連立を目指した場合、高市氏を支持した積極財政派が造反して国民民主と組み、玉木雄一郎代表擁立に動く可能性を指摘する声もあったのだ。結果、総裁選は高市氏が勝利したが、維新の連立参加に難色を示している公明党の動向も注目される。