妻でダンサーの菅原小春さん(時事通信フォト)
ひとまわり以上離れた「妻」との出会い
妻・菅原小春さんと出会ったのは、2021年春に上演予定だったミュージカル『消えちゃう病とタイムバンカー』。
「初めて会ったのは稽古場の喫煙所。僕が入っていくと、何人もいるなかに彼女もいた。かわいらしい方だな、と思いました。彼女は世間的にはとんがったイメージだと思いますが、恥ずかしそう、というか、シャイみたいで」
歌舞伎役者・坂東巳之助、日本アカデミー賞優秀主演女優賞受賞歴のあるシム・ウンギョンら多彩な俳優が共演する期待の舞台だったが、コロナの影響で公演は中止となった。
「ある日、彼女がコロナにかかってしまったんです。僕はたまたま近所に住んでいたから、『必要なものがあったら持っていきますよ』とメッセージを送り、食べたいという納豆などを買って持って行きました。その頃はちょうど桜の季節。こんなにキレイに咲いているのに、外出できない彼女は見られないんだなあと思って、納豆のパックの1つに桜の花びらを入れました」
そんな粋な行為が菅原さんの心を開いたのか、お礼のメッセージと写真が届き、そこから頻繁にやりとりするように。
「テレビ電話をつけっぱなしで話していたら、当時あった2週間の待機期間が終わり、彼女から『あれ、今夜12時過ぎたから、もう外出してもいいんじゃない?』と。『会いにいこうかな』と言ってくれたので、『いや、オレが行く』と言って会いに行きました」
照れながら、そう話す黒田さん。コロナ禍が結んだ2人の近くて遠い家はドラマさながらの展開だ。当時から結婚を意識し、隠さず堂々と交際してきた。『極悪女王』の撮影現場にも菅原さんは顔を出し、黒田さんは周囲に「パートナーです」と紹介していたほどだ。