野津英滉被告(共同通信)
母親にどうあって欲しかったの問いに
裁判官から精神状態について質問される。脳や腸に悩むようになってから、5か所ほどの病院へ行った。精神科、脳神経内科へ行くが、これといった治療もアドバイスも受けた記憶はなく、事件時の苦しさが今も続いているという。
精神状態についての質問の流れの中で母親について聞く。
裁判官「母親としてのコミュニケーションに不満があったとのことですが、どういう母親であって欲しかったという思いはありますか」
数秒空いたのち答える。
野津被告「質問の内容がめんどくさすぎるので、保留でお願いします」
その答えが、母親に対するなおも続く怒りなのか、何らかの欲求を抱いていたのか、無関心なのかは、わからなかった。
(了。前編から読む)
◆取材・文/普通(ライター)