あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
ポストシーズンで球史に残る活躍を見せるドジャース・大谷翔平(31)にとって、残された唯一の勲章がワールドシリーズMVPだ。立ちはだかる難敵をどう攻略するか。
最大のライバルとなるのが、ブルージェイズの主砲、ブラディミール・ゲレーロJr.(26)だ。ドミニカ出身野手として史上初の米野球殿堂入りしたゲレーロ・シニアを父に持ち、2019年にメジャーデビューした26歳。2021年シーズンはエンゼルスに在籍していた大谷と激しい本塁打王争いを展開し、最終戦に48号を放って大谷に競り勝った。
大谷はフィリーズとのリーグ優勝決定シリーズ第4戦で3本塁打、7回途中まで10奪三振の凄まじい活躍を見せたが、対するメジャーの若き至宝もポストシーズンで驚異的な活躍を見せている。
「あらゆる方向に打ち分ける技術を武器に、ヤンキースとの地区シリーズでは打率.529、満塁弾を含む3本塁打、9打点と大爆発。ワールドシリーズ前までのポストシーズン11試合で打率.442、6本塁打、12打点と大当たりしている。調子の波が大きい大谷は同期間で打率2割台前半でしたが、ゲレーロJr.は驚異の10月打率5割達成も視野に入ります」(メジャー担当記者)
まさに難敵だが、打者・大谷にとってブルージェイズの投手陣相手なら、「対左投手で苦しんだフィリーズとのシリーズ第3戦までのようにはならない」とメジャーに詳しいスポーツジャーナリストの友成那智氏は見る。
「フィリーズには外角の直球とチェンジアップで緩急をつけてくる一流左腕の先発が複数いて苦戦しましたが、ブルージェイズの先発には技巧派の左腕も160キロを投げ込む剛腕もいません。セットアッパーやクローザーも右投手です。
シリーズ中盤以降の戦いを考えても、先発3番手のシャーザーはサイ・ヤング賞を3回受賞した名投手ですがもう41歳。4番手のビーバーは昨年トミー・ジョン手術をして球威が全くない。中継ぎから先発に回るかもしれないバシットからは今季バックスクリーン直撃弾を放つなど大谷がカモにしており、打者・大谷の活躍が期待されます」
