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《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  

クマ被害によって亡くなった笹崎勝巳さん(共同通信社)

 本格的な秋の行楽シーズンを迎え、例年であれば観光客で賑わう紅葉スポットに異変が起きている。栃木県日光市では登山道の一部が閉鎖され、世界遺産の「白川郷」で知られる岐阜県白川村では、10月25日から開催予定だった紅葉のライトアップが中止になった。 

「現地でクマの目撃が相次いだことが原因です。クマ出没の影響は全国各地に広がっており、自治体や観光施設への問い合わせが増えています。爆竹で威嚇したり、クマが嫌う“とうがらし入りの線香”をたくなどのクマ対策をしている施設も多いようですが、不安はぬぐいきれない。今年は紅葉見物を諦める人も少なくありません」(旅行会社社員) 

 実際、これまで想像できなかった凄惨な事態が起きている。岩手県北上市の温泉旅館『瀬美温泉』の従業員・笹崎勝巳さん(60才)が、露天風呂の清掃中にクマに襲われて行方不明になったのは10月16日のことだった。瀬美温泉代表の岩本和裕氏が振り返る。 

「あの日、私は笹崎さんと11時に出かける予定だったんです。彼は真面目な人で、いつも早くから車を用意してくれるのに、時間になっても姿が見えなかった。珍しいなと思いながら、ほかのスタッフに呼びに行ってもらったところ、露天風呂に掃除道具が散らばっていて、大きな血だまりが広がっていたんです……。急いで警察に通報して、大声で何度も何度も笹崎さんの名を呼びましたが、どこからも返事はなかった」 

 警察の捜査で、露天風呂の金網にへばりついた黒々とした硬い獣毛が発見されたことで、和賀猟友会のハンターも現場に駆け付けた。同猟友会会長の鶴山博氏が話す。 

「到着してすぐに、クマ独特の“獣のにおい”を感じました。露天風呂の横に川があって、その先に山が広がっているのですが、血痕は川に向かう途中にも残っていました。争った跡がないことから、笹崎さんは背後からいきなり襲撃され、山の奥に引きずりこまれたというのが現場の見立てでした」 

 当日は大雨で、捜索は翌日に持ち越された。早朝から鶴山氏は16人のハンターと共に山に入った。 

「急な山の斜面で笹崎さんを発見したのですが、すぐ近くに大きなクマが居座っていました。ハンターに気づいたクマが逃げるように斜面を登ったので、ほかのハンターがライフル銃を発砲したんです。撃たれたクマは急斜面を20mほど転がり落ち、笹崎さんに覆いかぶさるように静止しました。体長150cm、80kgのツキノワグマの成獣でした」(鶴山氏) 

 笹崎さんの遺体の損傷は苛烈を極めたという。 

「特に頭部と腕部が激しく損傷していました。クマの胃の中からは被害男性のものと思われる人間の2〜4cmの肉片や髪の毛などが発見されました。植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認されています」(捜査関係者) 

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