「2007年からイギリス在住だったシナガ受刑者は、ナイトクラブやバーから出てくる男性を待ち伏せし、『うちに来て飲まないか?』『タクシーが来るまでウチにいたらいい』などと言葉巧みに自分のアパートへ誘い込んだ後にデートレイプドラッグを飲ませ、意識を失った男性に暴行したとのことです。
発覚した事件だけで136件。被害者は18歳から36歳までの男性で、平均年齢は21歳。現地警察は、潜在的な被害者はさらに多いとみています。
卑劣な手口で犯行を重ねたシナガ受刑者でしたが、2017年6月、暴行を受けている最中に意識を取り戻した被害者の通報によって事件が発覚。逮捕後に押収された受刑者のスマホから、数多くの男性に対して暴行する様子が撮影された3.29TB(編集部注:フルHD映像で少なくとも500時間以上)もの動画が発見され、大規模な捜査に発展しました」(同前)
“イギリス史上最悪のレイプ犯”として知られている(FBより)
地獄の囚人生活で…
ドラッグによる意識消失状態で犯行に及ぶ悪質性の高さ、かつ100人超の被害者が存在する性犯罪は、イギリスでも前例がなかった。
「裁判は4回にわたって行われ、そのすべてで有罪判決が下されました。量刑は最低30年の服役期間を条件とした終身刑。殺人以外で終身刑が下されるのは、イギリスでは異例中の異例です。しかしこれでも『まだ過度に軽い』として、マイケル・エリス元司法長官が最低刑期の延長を主張。英・控訴院は、服役を最低40年間に引き上げる決定を下しました」(同前)
2020年、シナガ受刑者は英ウェスト・ヨークシャー州のウェイクフィールド刑務所に収容された。同刑務所は、重罪を犯した囚人が多く収容される「カテゴリーA(厳重警備施設)」に分類されており、内部では暴力沙汰やいじめが横行する──別名“モンスターマンション”とも呼ばれる場所だった。
そんななか、シナガ受刑者もまた暴力の標的となった。
