レイプを含む159件の性犯罪で有罪判決を受けている(FBより)
「現地メディアによると、シナガ受刑者は、普段からの傲慢な態度および犯した罪によって、ほかの受刑者からよく思われていなかったようです。そのため、刑務所内で発生した暴力事件によって重傷を負いました。
そうした背景から今年2月ごろ、シナガ受刑者の安全の保障を目的とした本国送還の可能性が浮上。背景には両親の強い要望もあったといいます。そのプロセスとして囚人交換の可能性が立ち上がったのですが、両国間で協定が結ばれていたり、法的枠組みが十分整っていたりするわけではなかった。しかし、ここに来て進展の可能性が出てきたのです」(同前)
冒頭で触れたイギリス人女性の送還は、シナガ受刑者を帰国させるための“交渉カード”になったのだ。
「ただ、両国とも懸念される事項は多い。仮に囚人交換の実現可能性が高まったとして、イギリス国内からは『多くの自国民が被害に遭った犯罪者を他国に受け渡すのか』という批判や、『インドネシアに送還することで刑罰が軽くなるのでは』との声が上がる可能性があります。またインドネシア側も、重罪人を受け入れることによる監視リスクの高まりなどを理由に反発が出るかもしれません。クリアすべき課題は多いでしょう」
両国間の交渉は次のフェーズに移ったばかりだ──。
