警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
「女性とは知り合いだがトラブルはなかった」──逮捕された男はそう供述している。しかし防犯カメラに映った男の行動は、あまりに計画的だった。
東京都・赤坂の雑居ビルで10月16日午前10時25分ころ、音楽ライブに出演予定だった40代の女性が刃物で襲われた。犯人と見られる男は現場から逃走。しかし22日未明、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された。
全国紙社会部記者が解説する。
「女性は出演予定だったライブハウスが開くのを待っていたところを、大津容疑者に突然襲われたとみられています。ライブ開催場所だった店の鍵が10時半ごろに開く予定でしたが、黒の作業服にキャップ姿の大津容疑者は、その2時間以上前から周囲をウロウロしていたことがわかっています。
また被害女性が出演するライブの告知ポスターに、黒のスプレーで大きく“バツ印”をつけてもいた。このライブは10年ほど前から定期的に行われていたようで、容疑者が女性の予定やライブ場所をあらかじめ把握していた可能性も視野に捜査が進められています」
女性は一命を取り留めたものの、被害は深刻だった。
「被害者は手と脇腹を刺され、内臓に達するほどの傷を負った。現在は容体が安定しているようですが、一時は命が危ぶまれるほど重傷だったようです。犯行後に大津容疑者は自転車に乗って逃走。向かったのは港区・青山方面でした」(同前)
男はその後も自転車で都内を疾走し、行き着いたのは犯行現場からおよそ20キロ離れた陸上自衛隊朝霞駐屯地。大津容疑者は現役の自衛官で、この駐屯地に勤務していたのだ。
