容疑者の自宅アパートは現場となったいすみ市と隣接する茂原市にあった
「窓のアルミシート、不気味だよね。彼は2年前くらいにこのアパートに引っ越してきたのかな、確か。1人で住んでいると思うんだけど、引っ越した当初、2階に上がる時の階段の足音がうるさかった、ダンダンってさ。夕方6時くらいなんだけど、嫌がらせなのかなって思うほど音を立ててうるさく上がっていた。うちは階段の横にあるから地震みたいに部屋が揺れるんだよ。普通に上っていたらそんなに音はしないし、部屋まで揺れることはないんだけど。
だから一度うちの部屋を通り過ぎた時に、ドアを開けて『ちょっとうるさいよ』って注意したら、振り向いて無言でこっちに向かって来たんだよ。怖かったな。奥さんが直ぐにドアを閉めて事なきを得たけどね」
男性の妻は容疑者との間で「さらに怖い出来事」を経験したという。妻がこう明かす。
「今年の夏くらいのことです。彼の部屋の前を通ったら、ちょうど配達の人が来ていて。それで少し部屋をのぞいたら、部屋の中にたくさん段ボールがあったんです。
その後、犬の散歩に行こうと思って外階段を降りてふと振り向いたら、容疑者の男が左手に包丁を持って、無表情でじっとこっちを向いて、階段の上で立っていたんですよ。怖くて動けなくなったんですけど、そのまま彼は降りてこないで部屋に戻りました。いまだにこの出来事がずっと怖くて今でも寝られない時があります。部屋によほど見られたくないものでもあったのでしょうか……。いずれにせよ、逮捕されてほっとしました」
勤務先で事件を起こす前にも、近隣住民と“刃物トラブル”があったリュウ容疑者。第2回では匿名を条件に取材に応じた会社同僚が容疑者について話したことを詳報する。
