国際情報

伊藤博文暗殺した「安重根」の名を冠した韓国潜水艦が実戦配備

 中国(尖閣諸島)、ロシア(北方四島)と並んで、日本の領土を脅かしているのが、竹島(韓国名・独島)を実効支配する韓国だ。“最も近い隣国”の韓国でも看過できない不穏な動きがある。韓国に対しての謝罪談話で「未来志向の日韓関係」を唱えた菅直人首相にこそ直視してほしい現実をフォト・ジャーナリストの菊池雅之氏がレポートする。

 * * *
 韓国が2007年より配備し始めた最新の潜水艦「孫元一(ソンウォンイル)」級の3番艦には、日本を意識した名前が与えられた。その名は伊藤博文をハルビンで暗殺した「安重根(アンジュングン)」である。さすがにこの名前を付けるに当たっては、韓国海軍内でも意見が分かれたという。そもそも安重根はテロリストであり、王様でもなければ軍人でもない。しかし民族の「英雄」であることに違いはないという理由で決定。潜水艦「安重根」は、2009年12月に就役し、配備に向けた習熟訓練を終え、実戦配備されている。

 海軍艦艇の名前ほど露骨ではないものの、空軍や陸軍の装備は、やはり「日本」がメルクマールになっている。

 近代化を推し進めている韓国空軍は、航空自衛隊が次期主力戦闘機の選定に悩んでいる間に、F-15Eストライクイーグルの配備を決定した。この戦闘機は、航空自衛隊も配備するF15に対地攻撃能力をプラスした最新バージョンだ。やはりここでも「日本よりも上」であることが重要のようだ。韓国空軍では、F15Kスラムイーグルとして約40機が調達されている。

 ところが2006年6月、このF15Kが日本海上空で夜間訓練中に墜落するという事故が発生。対地攻撃用のミサイルを翼に抱えた韓国軍機が日本海を自由に飛びまわっている事実が発覚した。

 韓国陸軍においても、例えば地対地巡航ミサイル「玄武」は、射程500キロメートルも及ぶ。北朝鮮向けの対地ミサイルとされているが、射程1000キロメートル、さらに1500キロメートルのミサイルも開発中とされている。射程1000キロメートルあれば、日本の本州がすっぽり入ってしまう。スペック上は、北朝鮮の軍事力を軽く凌駕し、日本、さらに中国をも標的にすることが可能なのだ。

 最前線に投入される特殊部隊など、現場レベルの兵士に目を向けてみれば、さすがにあからさまに日本を敵視した訓練は行なってはいないが、一朝有事となかった。だが、一気に打倒日本に傾く可能性は十分にある。

 我が国の国防を考える上で、“日本に追いつき追い越せ”を目標に拡大し続ける韓国軍の動きから目を離せない。

※SAPIO2010年12月15日号

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン