国内

辻元清美氏 目立つ仕事なく「毛布を被災地に運んで」の声出る

「菅官邸は人気取りパフォーマンスを即刻やめよ」と、ジャーナリストの須田慎一郎氏が、ニュースの裏に隠された真相とタブーを暴く。以下、須田氏の分析である。

 * * *
 菅首相サイドには、この震災発生を奇貨として政権浮揚を図ろうとする意図があることは明らかだ。その最たる例が蓮舫行政刷新担当相と辻元清美衆院議員の登用人事だ。
 
 地震発生直後の13日、枝野幸男官房長官は、首都圏を中心に電力供給量が大きく不足することの広報を目的に節電啓発担当相のポストを新設し蓮舫大臣を兼務させることと、政府と民間ボランティアとの連携を進めるために災害ボランティア担当首相補佐官を置き辻元議員を充てる、という内閣人事を発表した。

「この人事については、官邸内でも相当な異論がありました。こんな状況下で人気取りのパフォーマンスをやっている場合じゃないだろう、と。しかし結局、菅総理の取り巻き連中が、そうした反対を押し切ってしまったのです」(官邸中枢スタッフ)

 皮肉なことに、この一連の人事が官邸の混乱にさらに拍車をかけているのだという。

「辻元補佐官が着任したのはいいが、そもそもボランティア団体の代表者らから話を聞く以外、目立った仕事はない。それなら静かにしていてくれればいいのですが、本人はあれこれ動きたがる。官邸の事務方の間では、『だったら辻元サンが、被災地に毛布でも運んでくれたらいいのに……』という声がしきりですよ」(前出の官邸中枢スタッフ)

 加えて菅首相自らが、直接被災地に視察に行くと言い出して、周囲はてんやわんやなのだ。

「総理が“現場”に行くとなると、警備やら何やらで最低でも140~150人の警官を動員しなくてはならなくなる。今の被災地にそんな余裕はありません。まったく無茶な話だ」(警察庁幹部)

 結局、この“視察”は降雨を理由にめでたく中止の運びとなった。

 こうした大混乱ぶりに業を煮やしたのか、仙谷由人民主党代表代行が官房副長官という肩書で官邸に復帰することとなったのである。
 
「これはもう事実上の官房長官です。少なくとも霞が関はそう見てますし、この人事だけはわれわれとしても大歓迎です」(財務省幹部)

 その仙谷氏に課せられた最大の役割は、官邸と霞が関のパイプ役に加え、菅首相の“暴走”を止める役どころ。

「いずれにしても仙谷氏の復帰で、菅総理の『名ばかり総理』がより一層進むことは間違いない」(前出の財務省幹部)

 菅首相は“死に体”ということか。

※SAPIO2011年4月20日号

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
自民・公明・立民が成立させた年金改革法案に重大問題 「厚生年金の減額期間」をこっそり延長、法案採決に欠席した河野太郎氏は「国民の年金への信用を失う」と憤慨
自民・公明・立民が成立させた年金改革法案に重大問題 「厚生年金の減額期間」をこっそり延長、法案採決に欠席した河野太郎氏は「国民の年金への信用を失う」と憤慨
マネーポストWEB