ライフ

「うまいカツサンド」の必要条件は「豚肉の適度な脂」など

『ボントン』の「カツサンド」

 ちょっとした時間に手軽にうまいサンドイッチを食べたい! ……というわけで、グルメ雑誌『アリガット』誌の元編集長・小川フミオ氏がセレクトした、『ボントン』(東京・日本橋)の「カツサンド」を紹介します。

 * * *
 パンと具材というシンプルな組み合わせだけに、サンドイッチは世界中に存在する。日本代表は、カツサンドだろうか。西は牛カツ、東はトンカツだ。

 東京人に愛されるトンカツサンドのなかでも「これはうまい」とずっと思っているのが日本橋蛎殻町の『ボントン』のもの。

 半世紀前からカツサンドを手がけ、近くの芳町をはじめ、柳橋や新橋の花柳界では、ここから出前を取るのが流行っていたという。

「ある日、男性客が店に来て、カツサンドを頬張るなり、『やあ、いつもお茶屋で食べているのはお宅のだったのか! 気に入っていたんだ。でも本当はこんなに安いのか』といったので大笑いでした」と、主人の田口冨士男さんは語る。

 うまいカツサンドとは――。個人的には、豚肉の適度な脂、主張しすぎないパン、甘み抑えめのソースの3点につきると思う。この3条件が同時に揃うのが難しいわけだが。

 トンカツの衣にも使う特注のパンは軽い甘みと酸味があり、歯ごたえも適度。豚の内ももを使うカツはジューシー、衣はサクサク。味覚の面でも触覚の面でも、食べ飽きない。店で食べて、おみやげも注文してしまうほどだ。

■『ボントン』の「カツサンド」1470円

【住所】東京都中央区日本橋蛎殻町2-15-2
【営業時間】11~14時、17時半~21時半
【定休日】土日祝
【カード】不可

 トンカツとカツサンドの店で、約50年前に創業。40年前から洋食レストランとなって現在にいたる。明治座や歌舞伎座の役者にもひいきにしている人が多く、差し入れにとカツサンドの注文が多く入るとか。人気メニューはトンカツと、洋食弁当。株式市場がある兜町や、繊維問屋の多い馬喰町や横山町のサラリーマン諸氏からも愛されてきた。食べごたえあるローストンカツ定食は1785円だが、ランチでは量を抑えて945円で提供している。

撮影■岩本朗

※週刊ポスト2011年5月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
《訃報》「生きづらさ感じる人に寄り添う」遠野なぎこさんが逝去、フリー転向で語っていた“病のリアルを伝えたい”真摯な思い
NEWSポストセブン
なぜ蓮舫氏は東京から再出馬しなかったのか
蓮舫氏の参院選「比例」出馬の背景に“女の戦い”か 東京選挙区・立民の塩村文夏氏は「お世話になっている。蓮舫さんに返ってきてほしい」
NEWSポストセブン
泉房穂氏(左)が「潜水艦作戦」をするのは立花孝志候補を避けるため?
参院選・泉房穂氏が異例の「潜水艦作戦」 NHK党・立花孝志氏の批判かわす狙い? 陣営スタッフは「違います」と回答「予定は事務所も完全に把握していない」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と浜辺美波のアツアツデート現場》「安く見積もっても5万円」「食べログ予約もできる」高級鉄板焼き屋で“丸ごと貸し切りディナー”
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落の原因は》「なぜスイッチをオフにした?」調査報告書で明かされた事故直前の“パイロットの会話”と機長が抱えていた“精神衛生上の問題”【260名が死亡】
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン