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多くの動物は閉経後死ぬがなぜヒトは閉経後も生きられるのか

「ヘルシーエイジング」という言葉がある。訳すと「健康加齢」。誰にでも訪れる避けられない老化を受け入れて、加齢と仲良くつきあい、単に老化を遅くするだけではなく、老化しても健康かつ元気に過ごす、というもの。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が、健康的に老いるためのススメを説く。

* * *
動物の寿命は、体重や心拍数などのさまざまな特徴から予測できます。例えばネズミの寿命が数年と短いのは、体が軽く心拍数が多いためといえます。一方、象やクジラが長生きなのは、体が重く心拍数が少ないためです。

また、メスに限ると、生殖ができなくなるころ、つまり閉経するころに死ぬのが一般的です。生物の究極的な目的は自分の遺伝子を次世代により多く残すことだからです。生殖できないのに生きていると、居住空間や食べ物などを無駄遣いしてしまい、子孫にとってマイナスなのです。

こうした特徴から予測すると、ヒトの寿命は本来なら30~50才。女性に限れば、閉経を迎えるころ、やはり50才ころということになります。

ところが、ヒトはこの予想よりも数十年も長生きします。長生きすることはヒトの本質的特徴で、はっきりとした進化的理由があります。それは女性に限ると「孫の世話」。そしてこれが、「ヘルシーエイジング」の方法につながっているのです。

哺乳類は、自分の子供が大人になるまで大事に育てます。生殖が可能であっても、世話をしなければならない子供がいる間は子供を産みません。そして、子供が大人になると、前述の通り、自分の存在が邪魔になってしまうので死にます。このタイミングが閉経を迎えるころです。

しかしヒトの場合は、「孫の世話をする」という役割を進化的に持つようになりました(ちなみに息子よりも、娘の子育てを手伝いつつ孫の世話をするというのが理想的です)。ヒトの女性は、この役割を持ったことで、自分ではなく娘が閉経を迎えるころに死ぬようになったのです。

昔は出産や子育ての情報を得ることは容易ではありませんでした。そして、情報がなければ出産や子育てを上手く行えないのがヒトの特徴。ヒトの子育てはとても難しく、「本能」だけで子育てすることはできません。それなりの学習や情報が必須なのです。

そのため娘の母親は、子供を産み育てたという経験と知識を生かして、娘の子育てを手助けするのです。

※女性セブン2011年7月7日号

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