スポーツ

高校野球指導の元プロ選手 女生徒気になる球児の意識を指摘

 プロ野球という最高峰から高校野球の世界に舞い戻った男たちがいる。野球部監督として球児たちを指導する第二の人生を歩き始めた彼らは、どんな指導法で甲子園を目指しているのか――。以下は、スポーツジャーナリスト・古内義明氏が、山口県・早鞆高校の大越基監督(40・元ダイエー)を取材した。

 * * *
「元プロが監督になったからといって、すぐに甲子園に行けるわけがないですよ」

 1989年夏の甲子園で仙台育英のエースとして準優勝し、ドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)に入団。現在は山口県の早鞆高校野球部監督を務める大越基はそう語る。

「ちょっと頑張れば甲子園に出られるかなという感覚で始めましたが、それは大間違いでした。現実は厳しい。自分が高校生の時はそんなに難しいことではなかったのに、なんで監督だと難しいのか(笑い)」

 監督が重視したのは、野球に対する心構えだ。

「いくら技術を教えても、子供たちは“やっています”というだけで全然形になっていない。それは意識が低いからなんです」

 校舎から練習場まではバスで移動するのだが、女子生徒がいると窓から顔を出す部員ばかり。部室にはカビた弁当が置きっぱなしで、マンガ本が散乱していた。

「いくら僕が元プロ選手だからといって、子供たちがきちんと聞く姿勢を持たないと、何をいっても頭には入っていかない。この有り様で甲子園とか全国制覇とか、口にするなと注意しました」

 ドラフト1位とはいえ、大越は日本球界から米マイナーリーグまで渡り歩いた苦労人だ。だからこそ、野球の面白さと怖さを知っている。

「プロも才能だけでやっているわけではなく、練習や私生活で努力しているからこそ活躍している。例えば、ソフトバンクで同期の小久保(裕紀)選手とかね。甲子園出場や、プロ野球選手になりたい夢があるなら努力しかない。それをわかってほしい」

※週刊ポスト2011年7月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン