国内

“派遣の規制” 審議したのは現場の声代弁せぬ経営者や学者ら

法や規制には、「世の中にこういう秩序をもたらしたい」という理念がある。だが、目的と方策が合致していないタイプの“おバカ規制”が実はたくさんある。「派遣の規制」にはそんな問題が満載だ。話題の新刊『「規制」を変えれば電気も足りる』(小学館101新書)の著者で元通産官僚、行政改革担当大臣補佐官も務めた原英史・政策工房社長が「バカな派遣規制の背後にある規制」について解説する。

* * *
自公政権時代の2003年の労働者派遣法改正では、派遣期間が3年を超えると正社員として雇う申し込みをする義務が課された。正社員にしてもらえるのだから、一見「派遣社員を守る規制」に見えるかもしれない。だが、実際には正反対。規制の結果、3年が経過する直前に派遣社員の交代を求める事例が多発した。本来なら3年を超えて同じ会社で働けたはずの派遣社員の仕事が奪われることになったのだ。

こうした現実にそぐわない派遣規制が行われる背景にも、実は規制が潜んでいる。

「厚生労働省設置法」で、労働政策は「労働政策審議会」で審議することになっている。審議会のメンバー構成は「労働政策審議会令」で、〈労働者を代表する者、使用者を代表する者及び公益を代表する者〉(3条1項)が各10人と決まっている。それぞれ、正社員が多い労働組合の代表者、企業経営者ら、そして学者・研究者らが任命される。結局、派遣社員の声を代弁する人を入れる余地はないのだ。こういう場で、「派遣の現実」を知らない委員たちだけで政策を議論しているのである。

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン