国際情報

1753年来日の韓国の書記 名古屋女性見て「美しさに恍惚…」

日本を蔑視しながらも、その繁栄ぶりに驚いていた朝鮮通信使、朝鮮で貨幣流通が遅れた理由、そして韓国屈指の「郷土料理」キムチの謎……。ほとんど学ぶ機会のない、両国の意外な歴史を解き明かす、「そうだったのか! 正しい朝鮮史」。今こでは、18世紀につくられた「朝鮮通信使」につづられた日本人観を紹介しよう。

* * *
当時の朝鮮人、特に朱子学を信奉する朝鮮の文人から見れば、日本は中華文明の教化を十分に受けていない島狄(島に住む野蛮人)に過ぎないという意識が強かった。朝鮮通信使も日本の風俗を儒教の道理から外れた野蛮なものと見ており、さらに豊臣秀吉の侵攻(文禄・慶長の役)に対する怨念を抱いていた。朝鮮通信使が書き残した紀行文には日本の風俗を蔑視したり嘲笑する内容が随所に見られる。日朝友好の証としてよく引用される申維翰(1748年に来日)の紀行文『海游録』にも日本の風俗を指して「禽獣に等しい」と評した部分がある。

ただし、朝鮮通信使も日本のことを貶してばかりいたわけではなく、都市の繁栄や女性の容姿、山河の美しさ、技術の巧みさなどについては素直に賞賛している。1753年に朝鮮通信使の三房書記として来日した金仁謙も富士山を絶賛し、大坂の発展ぶりを「我が国の鍾路(ソウルの大路)の一万倍も栄えている」「一行中に北京に行った訳官(通訳)がいたが、その壮麗さもこれほどではなかったという」などと手放しで絶賛。

大坂の繁栄ぶりについては1711年に来日した任守幹も「家々の大きさと繁栄ぶりは中国の通都(大都市)も及ばぬほど」と評している。金仁謙は尾張名古屋で見た当地の女たちを楊貴妃、趙飛燕(前漢成帝の皇后)に例えて賞賛し、「美しさに恍惚となる」とまで記している。

※週刊ポスト2011年12月16日号

関連記事

トピックス

出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる稲垣吾郎
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演、稲垣吾郎インタビュー「これまでの舞台とは景色が違いました」 
女性セブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン