<東宮職医師団としては、最近、週刊誌を中心として、ご病気に苦しまれながらもさまざまなご活動に懸命に取り組んでいらっしゃる妃殿下のご努力を否定するかのような、悪意ともとれる誤った情報に基づく報道が、関係者とされる人物の発言の引用を含めてなされていること、そしてそのことに対して妃殿下が心を痛めていらっしゃることへの強い懸念を表明いたします。(中略)
東宮職医師団は専門家として憤りを覚えるものであり、この状況が改善されない限り順調なご快復は望めないと考えております>
12月9日、48才の誕生日を迎えられた雅子さまのご病状について、東宮職医師団が、毎年、恒例となっている見解を文書で発表した。だが今回は、どのような治療を施してきたか、今後、どういう治療をしていくかといった医学的な見地からの言及は一切なく、雅子さまの病気が治らないのは“週刊誌報道のせいだ”と一方的に責め立てる異例ともいえる内容だった。これには皇室ジャーナリスト・神田秀一氏がこう憤る。
「今回の見解は、医師団が発表すべき内容ではなく、不充分です。もしも本当に報道によって雅子さまのご病気が悪化されたのであれば、医学的な見地から、どの報道が、どんな風にお体に影響を与えて、快復に向けて、どんな妨げがあるのかを具体的に明示すべきです。医師団の見解としては、あまりに抽象的すぎます。
加えて、雅子さまが療養にはいられてから8年という月日が経たれるのに、毎年のように“ゆっくりではあるが着実に快復されている”という説明では、国民ももう納得しません。不信感を煽るだけのような気がしてなりません。また報道に関しても、憲法に保障されている報道の自由があるわけですから、医学的見地を述べずして、ただ批判するのはいかがなものかと思います」
実は、この見解が発表される1週間前の12月2日に行われた東宮大夫の定例会見では、大夫と記者との間で押し問答が繰り返されたという。記者会が「見解を出してほしい」というのに対し、東宮大夫は「検討する」の一点張りで、とうとう最後まで明解な態度は示されなかった…。これには、こんな理由があった。
「例年通り、医師団の見解は出す予定だったんですけど、その前に、雅子さまが一度、それをご覧になって、ご承諾を得ないと出すことはできないわけです。雅子さまに納得していただかなければ、書き直しとなって発表が延期になり、今度はそれが問題となってしまう可能性があります。だから東宮大夫は“検討する”という曖昧な発言に留めるしかなかったようです。しかし結果的に発表になったということは、雅子さまがご覧になっているわけですから、あの見解は雅子さまのお考えといってもいいのではないでしょうか」(皇室記者)
※女性セブン2012年1月1日号