国内

小沢一郎氏 今の民主党では次の総選挙で手痛いしっぺ返し食う

消費税増税を始め、税制改革が大きな政治テーマに浮上している。野田政権は増税路線を明確に打ち出そうとしているが、これについて小沢一郎・元民主党代表はどう見ているのか。政治ジャーナリスト・渡辺乾介氏(『小沢一郎 嫌われる伝説』著者)が聞いた。

* * *
――経済危機の中で国民に増税や重税を強いるというのは、戦前の世界恐慌で政府が金解禁など政策を誤って昭和恐慌を招いた歴史の失敗を繰り返す。

小沢:このままやればそうなる。もしやったら大変なことになる。2012年は絶対に深刻な不景気です。

――世界経済は非常に厳しくなる。

小沢:一般論で考えて、豊かな生活を体験した欧州の国民がレベルダウンするというのは、経済が破綻するまで無理です。ということは、財政再建はできない。

日本だって、原発事故で電気を節約するといったって、生活レベルを下げて電気製品を使わなくなるわけじゃないでしょう。今は所得が減っているから買い物を控えているだけでね。

――不景気の時は減税をしなきゃいけないという考えは今も変わらないか。

小沢:やるとすれば減税ですね。あるいはもっと財政出動をしなきゃいけないかもしれない。すでにいった原発の封じ込めは(前号掲載)、何十兆円かかったってやらなきゃいけない。

――1993年の『日本改造計画』でも、新進党、自由党の選挙公約でも、一貫して所得税・住民税を半減して経済を変えると唱えてきた。

小沢:だから所得税を少しずつ下げてきたけれども、その分住民税をばーんと上げた。だからお年寄りは困っている。政府がそういう姑息なことをやる。それで政治が不信を買うんです。

――今の日本の危機の根元は、政治が国民の信頼を失っていることにある。民主党政権の姿形、とりわけこの2代は非常にみっともないように見える。

小沢:そうだね……いや、あまり肯定するわけにもいかんけれど(笑い)。

――これほど政権公約を変質させたり、反故にしたりすれば、外国であれば政権が一日ももたない。

小沢:日本では市民のパワーが政治の転換に結びつかない。しかし、2年前の総選挙で一歩を踏み出したから、今度は勇気を持ってやると思う。今のままでは民主党は次の総選挙で手痛いしっぺ返しを食らうよ。

※週刊ポスト2012年1月13・20日号

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン