国内

震災11か月後でやっと「復興庁」発足 関東大震災時は26日後

 復興の司令塔の役目を担う「復興庁」が、大震災から11か月も経ってようやく発足した。つまり、この1年間は復興予算が膨らんだだけで、復興は全く進んでいないということなのである。大前研一氏が、その問題点を指摘する。

 * * *
 東日本大震災から1年近くが過ぎ、3つの問題が顕在化している。1つ目の問題は、1995年の阪神・淡路大震災や1960年に三陸を襲ったチリ地震津波といった過去の日本の災害復興に比べると、著しくペースが遅いことだ。
 
 その象徴が、復興の司令塔の役目を担う「復興庁」である。大震災から11か月も経ってようやく発足とは、呆れて開いた口がふさがらない。1923年の関東大震災の時に「帝都復興院」が設立されたのは26日後だ。つまり、今回は政府が全く機能していないのである。

 鈍重な民主党政権は瓦礫を片付ける以外の具体的な復興策は何も打ち出すことができず、昨年7月に決定した復興予算は、なんと合計23兆円に達した。しかも財務省が、消費税は社会保障以外には使わないという方針なので、2015年までに必要とされる19兆円のうち10.5兆円は、所得税額の2.1%上乗せを25年間、住民税の年1000円上乗せを10年間続け、法人税の減税を3年間凍結して捻出することになった。

 政府は最も少ない費用で最も大きな効果を狙わなければならないのに、この1年間は復興予算が膨らんだだけで、復興は全く進んでいないのである。非常時にこれほど悠長で無能な政府を私は寡聞にして知らない。

※週刊ポスト2012年3月9日号

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン