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阪神大震災経験者 自ら用意する非常持出袋の中身を公開

 1995年に発生した阪神・淡路大震災の被災者で、避難所だった体育館で『震度7が残した108の教訓』を執筆した荒尾和彦さんは、東日本大震災の被災地を歩いて様々なことを考えた。震災後、避難所に避難するにしてもどんな準備が必要なのか。荒尾さんが、自らの体験を基に準備について解説する。

 * * *
 幸いなことに、17年前の地震では、私が住んでいたマンションが倒壊することはなかった。しかし、ざっと部屋を片付け外に出て驚いた。外壁はボロボロにはがれ落ち、×の字でヒビがはいっていた。

 慌てて避難所に行こうとするも当時、荒尾家は地震に対して何も用意していなかった。ひとまずセーターをパジャマの上から何枚も着重ねた。玄関横の和室の、倒れたハンガーラックから、コート2枚とマフラーをさらに重ね着する。こうすれば手荷物にならない。

 自分が被災するとは思ってもみなかったから、私は避難所の場所など知らなかった。尋ねながら、小学校に向かうが、すでに満員。人であふれ返っていた。避難所は早い者勝ち。事前に場所を把握しておく必要があった。

 幸運にも隣の中学校にまだ充分な余裕があり、場所を確保して、再びマンションへ。

 倒れた冷蔵庫を漁って野菜ジュースやお菓子、昨日の残りもののご飯も密閉容器に詰めてバッグに入れた。意外とよかったのが、のりや梅干しを持って行ったこと。冷たいご飯でもこれがあれば充分食べられた。

 食糧だけでなく毛布や羽毛布団も持っていく。冬の避難所、特に床は冷え切っている。こうしたものはある程度、非常持出袋として用意しておくと手間がはぶける。まして、東日本大震災の場合は津波で避難の準備に時間をかけることは許されなかった。

 現在、わが家で用意している非常持出袋の中身を紹介しよう。

●ミネラルウオーター
●ウエットティッシュ
●携帯レインコート
●軍手
●マスク
●歯ブラシ、液体歯磨き
●トイレットペーパー
●懐中電灯
●各種電池
●連絡先のメモ
●携帯カイロ
●石鹸
●救急絆創膏、消毒薬、包帯、各種薬
●紙皿、紙コップ、割り箸
●ポケットティッシュ
●レジ袋
●生理用品
●チョコレート、キャラメル、飴などの食品

 これに加えて、小さいお子さんがいる家庭なら、子供用の靴を。目が悪い人は、ケース入りの眼鏡も準備しておきたい。

※女性セブン2012年3月29日・4月5日号

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