芸能

今年は高倉健イヤー 「絆求める時代に求められる役者」との評

 いま高倉健がじわじわキテるのをご存じだろうか。映画、CMに立て続けに出演。ブルーレイボックスの発売も決まった。81才を迎えた超ベテラン俳優がいま注目を集める理由とは?

「健さんが表舞台に登場するのは、オリンピックのようなもので何年かに1回なんです。そのたびに映画界を中心にテレビやCM業界でも、健さん人気が高まります。ひさしぶりに主演作が公開される今年は、まさに健さんイヤーといえますね」
 
 こう話すのは、映画評論家の松原正美氏だ。作品をじっくり選ぶといわれる健さんは、近年、出演作は多くはない。8月25日に公開される主演映画『あなたへ』は実に6年ぶり。その前の主演作『単騎、千里を走る。』(2005年)は当時4年ぶり、前々作『ホタル』(2001年)は当時2年ぶりの出演だった。それだけに出演作が公開されると、プレミアム感が増し、健さんブームに沸くようだ。

『あなたへ』は、降旗康男監督との20作目。健さん扮する富山刑務所の指導技官が、亡き妻の生前の真意を知るため、妻の故郷である長崎へキャンピングカーで旅をするというストーリー。テーマは夫婦の絆だ。

 こうした内容も健さんブームを後押しすると前出・松原氏は指摘する。

「健さんは、どこにでもいる普通の人に“命”を吹き込み、抜群の存在感を与えることができる役者です。この作品では、亡き妻を失った悲しみを抱えて生きる男性を好演しています。口数は多くなくても背中で語る演技はさすが。震災後、喪失感や悲しみを乗り越えることができない人にとっても、その演技は心に響くと思います。

 健さんには演技というより、そこにいるだけでその人物の人生がにじみ出てくるような不思議な魅力がある。この作品でも旅の途中でさまざまな人が、吸いよせられるように健さんの前に現れ、つい自分の悩みなどを口にしてしまうのですが、健さん自身にもそんな魅力がある。絆を求めるいまの時代にこそ求められる役者といえますね」

 健さんブームは映画以外の業界にも波及している。放送中の永谷園「お茶づけ海苔」のCMは、8年ぶりのCMということで話題になっているほか、東宝では、健さんの主演作を集めたBlu-ray BOX『高倉 健 Blu-ray COLLECTION BOX(5枚組)』を8月下旬に発売する。同社では、若者にも訴求できるとみている。

「昔の作品を、ブルーレイのきれいな画像で観たいという要望があったため今回ボックスでの発売となりました。高倉健さんは、演技はもちろん、人間としての魅力もあるので、若い人にもファンが多いとみています。映画公開のタイミングでもあるので、もっとファンを増やしていきたいですね」(東宝映像事業部部長・大田圭二さん)

関連記事

トピックス

岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン