ラオスの民族衣装をお召しになられた愛子さま(時事通信フォト)
「両国の歴史の重要な節目であり戦略的パートナーシップのさらなる発展の契機となった」──これは、初の海外公務としてラオスを訪れた天皇皇后の長女・愛子さまについての現地メディアの報道である。まるで首脳外交を評価するかのような表現からも、11月下旬の愛子さまの公式訪問に対するラオス側の歓迎ぶりがよくわかる。
今回のラオス訪問は外交関係樹立70周年を祝う記念行事への出席のためのもの。17日夜、ラオス・ビエンチャンに到着した愛子さまは、伝統舞踊の歓迎を受けると、一人ひとりに手を合わせて現地式の挨拶をするなど、出迎えた人々と笑顔を交わした。
翌18日には、天皇が皇太子時代に訪れた「タートルアン大塔」を訪問し、その後はラオスの民族衣装に身を包んで国家主席を表敬訪問。国家副主席主催の晩餐会に出席した。レッドカーペットを歩く姿が大々的に報じられるなど、滞在中は手厚い歓迎を受けた。
皇室ジャーナリストの神田秀一氏が言う。
「今回の海外公務は愛子さまが事前にラオスについて熱心に勉強して入念な準備を重ねられたことにより、意義深いものになりました。現在のラオスは社会主義国ですが、かつて王国だった歴史もある。愛子さまを準国賓として接遇したのも日本との国交を大切にしたいとの考えからでしょう」
そうした愛子さまの入念な準備への評価がある一方で、「訪問が成功裡に終わったことは、関係省庁の戦略が結実したものでもある」(政府関係者)との声も聞こえてくる。実は、今回のラオス訪問の計画は1年半ほど前から練られてきたものだという。
「東南アジアは日本の外交戦略上、非常に重要な地域です。安倍晋三・元首相時代から続く『自由で開かれたインド太平洋構想』の外交方針に基づき関係構築の努力を進めてきたが、ASEAN諸国は経済・安全保障面などで中国の影響を色濃く受けている現状がある。とくにラオスは、同じ社会主義国である中国との関係が深い。
一方で、ODA(政府開発援助)もあって日本との友好関係を重視する考えもあるとされ、外務省としては中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩として、ラオスとの友好関係を深めたい考えがあったといいます。そこで皇族の訪問を外務省や政府関係者が計画し、着々と準備を進めてきたとされます」(全国紙記者)
