総務省の調査によると日本人の平均起床時間は6時39分と、早寝早起きの生活様式が定着しつつあり、そこに生まれる“需要”を逃すまいと早朝ビジネスが活況をみせている。その流れはスポーツやレジャー界隈でも見ることができる。
早朝スポーツの代表格といえば、ランニング。ビジネスには結びつかない印象もあるが、東京・九段下にある「ランナーズステーション」は、皇居を走るランナーの利用で盛況だ。更衣室とシャワー、ロッカーがあり、利用料金は1回700円。小型のロッカーがついた会員コースなら月額3600円で毎日使える。
「5年前のオープン当初は朝8時からでしたが、“それから走ったんじゃ、仕事に間にあわない”という人が多かったので、すぐ7時からの営業に変えました。利用客のほとんどは周辺で働くサラリーマンです」(同社スタッフ)
皇居を走った後に銭湯を利用するランナーもいる。神田アクアハウス江戸遊では、朝風呂は5時からの営業。風呂だけなら450円、サウナを利用するならタオルがついて850円。
「皇居ランナーや学生さんのほか、多いのはシニア層。朝風呂が始まる5時前から20~30人が待っていることもあるほどです」(店長)
シニア層の朝は早い。最近ではこの層を意識した早朝営業が増えてきた。ラウンドワンでは全国99店舗で、土・日・祝日のみながら朝5時から8時スタートのボウリング早朝割を実施。シニア層愛好者の人気を呼んでいる。
福岡には今年6月後半にシニア層を狙ったカラオケの早朝パックが登場した。
「朝6時から正午まで時間を気にせず歌って400円。プラス朝食がついて690円のパックもあります。みなさん6時間、きっちり歌っていかれますよ」(カラオケチェーン『コロッケ倶楽部』を運営するウチヤマホールディングスの歌野繁美専務)
元気なシニア層向けビジネスはまだまだ可能性が広がりそうである。
※週刊ポスト2012年9月7日号