国内

大メディアのアベノミクス批判は読者を誤解させ冒涜している

 安倍晋三首相が推進する経済政策・アベノミクスに批判的な記事も賛同する新聞やテレビの報道には、記者の思考停止状態で報じられたものが多すぎると産経新聞特別記者の田村秀男氏は批判する。以下、田村氏の見解だ。

 * * *
 全国紙、NHKといった大手マスコミはアベノミクスの「危険性」にご執心だ。日本経済新聞の「経済教室」では1月16日付からの連載で「日本売りリスク 目配りを」、「放漫財政、物価高騰も」、「日銀の独立性は重要」、「資産バブル招く可能性も」との見出しが躍った。時の政権の政策批判は結構だが、これまで大手メディアの多くは財務省・日銀の言い分に沿う論調で報道し続けてきた。

 しかしアベノミクス批判にもかかわらず、円高是正が始まり、株価も上昇している。世論の支持率も高くなってきた。となると商業メディアとしてはまずい。しかも、処世術にたけた官僚はさっさと面従腹背、表向きだけは安倍政権に同調している。日銀の白川方明総裁が典型だ。

 はしごを外された官僚追随メディアは慌てただろうが、自らの誤りを認めたくないという自己保身が働くと同時に、急激な論調の転換は読者の不信を招く。そこでまずとるのが、バランス手法である。

 上記の日経経済教室のように、インフレ目標などを1面で大々的に取り上げながらも、中の面でマイナス効果を学者にコメントさせるのである。さらに次の段階ではすり寄って、あたかも以前から脱デフレの論陣を張ってきたような顔をするだろう。

 事実、すでに日経などは浜田宏一イェール大学名誉教授など首相指南役にインタビュー攻勢をかけて彼らの言い分をたっぷりと掲載している。

 読者をミスリードし、世界史上未曾有のデフレを招いてきた己を省みないメディアは、どこまで読者を冒涜し日本を混迷させるつもりなのか。

※SAPIO2013年3月号

関連キーワード

トピックス

2013年に音楽ユニット「girl next door」の千紗と結婚した結婚した北島康介
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志と浜田雅功
《松本人志が11月復帰へ》「ダウンタウンチャンネル(仮称)」配信日が決定 “今春スタート予定”が大幅に遅れた事情
NEWSポストセブン
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン
“新庄采配”には戦略的な狙いがあるという
【実は頭脳派だった】日本ハム・新庄監督、日本球界の常識を覆す“完投主義”の戦略的な狙い 休ませながらの起用で今季は長期離脱者ゼロの実績も
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗、直近は「マスク姿で元気がなさそう…」スイミングスクールの保護者が目撃
NEWSポストセブン
娘たちとの関係に悩まれる紀子さま(2025年6月、東京・港区。撮影/JMPA)
《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も
女性セブン
電撃結婚を発表したカズレーザー(左)と二階堂ふみ
「以前と比べて体重が減少…」電撃結婚のカズレーザー、「野菜嫌い」公言の偏食ぶりに変化 「ペスカタリアン」二階堂ふみの影響で健康的な食生活に様変わりか
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
「なぜ熊を殺した」「行くのが間違い」役場に抗議100件…地元猟友会は「人を襲うのは稀」も対策を求める《羅臼岳ヒグマ死亡事故》
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
駒大苫小牧との決勝再試合で力投する早稲田実業の斎藤佑樹投手(2006年/時事通信フォト)
【甲子園・完投エース列伝】早実・斎藤佑樹「甲子園最多記録948球」直後に語った「不思議とそれだけの球数を投げた疲労感はない」、集中力の源は伝統校ならではの校風か
週刊ポスト
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン