国内

民主党ネット部隊 重要業務にコメント閲覧やWiki修正の予測

 7月の参院選からインターネットを遣った選挙運動が解禁される。経験したことのない変化を前に、永田町では期待と不安が入り交じっている。3か月後の本番に向けて対策に追われる政党や困惑する候補者、事務所スタッフらの動きを、政治評論家の有馬晴海氏が追った。

 * * *
 民主党では研修会で各事務所に、情報発信の責任者となるCIO(Chief Information Officer)を置くように通達。物々しい肩書だが、実態について民主党関係者はこう語る。

「昨年の総選挙で大量の議員が落選したため、失業した秘書がたくさんいる。そうした元秘書たちがネット担当者として雇われ始めています」

“アベノミクス”が国民より先に失業中の秘書に“雇用創出効果”をもたらした格好だが、CIOらネット担当スタッフは何をしているのか。

「ホームページの管理やFBの開設。あと、民主党議員に対してはネット上で否定的なコメントが出回っていることも多いので、そのチェックも大切な仕事になるでしょう。すでに党内では“ウィキペディアの議員の項目をきちんと修正したほうがいい”という考えが広まりつつあります」(同前)

 ウィキペディアは記事編集のルールとして、「自分自身の記事はつくらない」と掲げているのだが……。

 一方、ネット選挙を推進する立場の自民党でも長老議員たちの動きは鈍い。「そもそも解禁に賛成ではなかったのだから、対策は党に丸投げしたい」という声まである。党側もそのようなネットリテラシーの低い議員の不用意な発信で本人や党が炎上するリスクを恐れているようだ。

「各議員がネットで発表すべき見解を党がきちんと管理して作っていくべきかもしれない」(自民党関係者)といったスタンス。それでは議員がせっかく個人アカウントでつぶやいたりHPを更新できたりしても、発信される内容は「党の見解」をリライトしただけのものになってしまう。ネット解禁の意味はほとんどない。

 党任せの運営や秘書・スタッフによる書き込みでは、日本維新の会の橋下徹・大阪市長のように一般のフォロワーと丁々発止のやり取りで注目を集めることは難しい。一部の若手には本人が積極的に情報発信しようという機運もあるが、それはそれでリスクがある。橋下市長のように問題提起したり反論したりする、ある種の才能がなければ無視されるか“炎上”する可能性が高いからだ。   

※SAPIO2013年5月号

関連キーワード

トピックス

中国の名門・清華大学に在籍する
「あまりにも美しい女性は生配信に向かない!」中国の名門・清華大の美女インフルエンサーが突然の更新ストップ【SNSを巡る親子の対立で物議】
NEWSポストセブン
米・女優のダコタ・ジョンソン(35)(時事通信フォト)
《”ネイキッドドレス”で大胆な肌露出》米・お騒がせセレブが映画祭で“ほぼ裸”ファッションを披露、専門家が解説「セレブの勲章ともいえるファッション。ただし節度も必要」
NEWSポストセブン
小泉進次郎氏(時事通信フォト)
《地元・横須賀では小泉進次郎氏に不安の声》“未来のファーストレディ”に見せていた献身「(滝クリのため)子どもを抱っこして相談に来た」
NEWSポストセブン
香川県を訪問された秋篠宮妃紀子さまと次女・佳子さま(2025年10月2日、撮影/JMPA)
《手話動画が話題に》「手話できる佳子さまカッコいい」“真逆”のカラーをお召しになった紀子さまとさりげなく共通カラーを入れた高度なコーディネート
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
《クロスボウ殺人》母、祖母、弟が次々と殺され…唯一生き残った叔母は矢が貫通「息子は、撃ち殺した母をリビングに引きずった」【野津英滉被告・公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《本人が最も恐れていた事態に…》「タダで行為できます」金髪美女インフルエンサー(26)、デリバリー注文のバーガー店が滞在先を暴露「軽視できません」
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”を繰り返していた前橋市・小川晶市長(時事通信フォト)
小川市長”ラブホ会議問題”の前橋市民から出る嘆き 「高崎の親戚からすんげえ笑われた」「男と女でどんな会議なんかい、ほんと恥ずかし」
NEWSポストセブン
「愛馬の日」のイベントに参加された愛子さま(2025年9月、東京・世田谷区。撮影/JMPA)
悠仁さまの成年式を機に海外メディアが相次いで“男性しか継承できない”日本の現行制度を不可解だと指摘 皇位継承から除外されている愛子さまの存在もクローズアップ 
女性セブン
自党内の混乱はおさまりそうにない(時事通信フォト)
“女安倍”高市氏に防衛省制服組が“ただならぬ警戒感”「台湾有事が現実に」「独自の国家観をもつ軍事フリークは面倒」、進次郎氏を推す意外な声も「実力不足の方がいい」
NEWSポストセブン
たばこ祭りに参加した真矢と妻の石黒彩
《杖と車椅子で10メートルの距離を慎重に…》脳腫瘍のLUNA SEA・真矢が元モー娘。の妻と夫婦で地元祭りで“集合写真”に込めた想い
NEWSポストセブン
懲役5年が言い渡されたハッシー
《人気棋士ハッシーに懲役5年判決》何度も「殺してやる」と呟き…元妻が証言した“クワで襲われた一部始終”「今も殺される夢を見る」
NEWSポストセブン
浅香光代さんの稽古場に異変が…
《浅香光代さんの浅草豪邸から内縁夫(91)が姿を消して…》“ミッチー・サッチー騒動”発端となった稽古場が「オフィスルーム」に様変わりしていた
NEWSポストセブン