部下と“ホテル密会”を繰り返していた前橋市・小川晶市長(時事通信フォト)
何事もはじめが肝心、とよく言われるが、不祥事発覚後に初期対応を誤ると、非難の声が増幅される。静岡県の伊東市長や沖縄県の南城市長、岸和田市の元市長など真摯な姿勢もなく自ら招いた問題と向き合っていないと思われるとSNSでの糾弾が止まない。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、市長のラブホ会議問題で全国的な関心を集めている前橋市民たちに聞いた。
* * *
「伊東の市長の話なんて、よその話と思ってたんだけどね。まさかうちの(前橋市の)市長がこんな変なことになるなんて思わなかったよ」
群馬県前橋市、9月25日の中央通り商店街。商店主の70代男性に騒動の渦中にある小川晶前橋市長について話を聞くと、伊東市の田久保眞紀市長の例をあげて「恥ずかしいな」と苦笑い。
「でもあっち(伊東市の田久保市長)と違ってラブホ行ったことそのものはすぐ認めているし反省もしているからね、学歴詐称と違って男女の話だから、個人的なことだよね、弁護士さんで優秀な人みたいだから出直して欲しい」
この段階では小川市長、市役所に苦情が500件寄せられたと報じられていたが、筆者の聞く限り実際に会った前橋市民はこのような「またがんばって」「個人的なこと」という意見が多かった。
前橋駅南口から少し歩いたところにあるショッピングセンターでは「そんなことあったんすか」と若者だがこの件を知らないという人もいたし、「小川っていうの?ラブホ?やばいね」と前橋市長の名前すら知らないという人もいた。
「謝罪しているし、前橋のために頑張ってほしい。女性市長だし、弁護士さんで優秀だし」
このように子連れで買い物に来ていた女性もまた「頑張って」だった。
あくまで、25日の段階の話である。前日、24日夜の緊急会見で、
〈私が、特定の職員と複数回、ホテルに行ったことは間違いがありません〉