ライフ

定年後の田舎暮らし 居住場所選択や現地住民との交流に苦労

 過疎問題や若者の流出などに悩む農村部が増えつづけるなか、国や各県では「田舎暮らし」を支援する動きが活発化している。最近の団塊世代の一斉退職も後押しし、「田舎暮らし」のブームは、昨今ますます活性化しているようだ。

 しかし、定年退職を経て、念願の田舎暮らしを実現したにもかかわらず、思わぬ苦労に直面する人も多いようだ。昨年秋に東北地方のある県にある山村に移住した男性(63歳)が語る。

「東京で30年間会社員をし、退職をきっかけに妻と離婚。田舎で農業をしながら老後の第二の人生を歩もうと思い、移住を決めました。じねんじょ栽培を考え、1年間静岡県でじねんじょ作りの基礎を学び、農業大学の先生とも相談して移住地を決めたのです。

 空き家がとても多い県でしたから、住む場所もすぐに決まるだろうとたかをくくっていました。しかし、いざ現地に行ってみると売りに出されていた空き家も購入させてもらえない。何かと理由をつけて断られてしまいました。保証人となってくれる知人がいなかった事が大きな問題でしたね」

 こうした居住の問題に加え、現地住民との交流も大きな壁として立ちはだかったと男性は続ける。

「私は単身での移住でしたから、地域の高齢者の方々と上手くコミュニケーションをとるのも難しかった。挨拶はするけれど、それ以上の関係にならず、移住当初は、けっこう辛い思いをしましたね。

 農業をやりたいという理由で、簡単に田舎に移住を決める人もいるかもしれませんが、しっかりとサポートしてくれる行政や地域のNPOなどと相談を重ねることが不可欠だと実感しています」(同前)

関連キーワード

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン