リアルな銀行の内幕を描いて人気のドラマ『半沢直樹』(TBS系)。劇中では石丸幹二(47才)演じる支店長が、不正工作をやりたい放題だが、現実もかなりこれに近いのだとか。30代のメガバンク中堅行員がこう語る。
「支店長になれば、専属の車がつくなど、待遇がまったく違います。それに、支店の現場では支店長の権限がすべてです。しかも、支店長の評価が、そのまま人事考査に直結するので、ヘタに機嫌を損ねたら一貫の終わり。
だから、部下は絶対服従の“イエスマン”になるんです。支店長へお中元、お歳暮などつけ届けを普通にやっている部下もいます。ドラマで宮川一朗太さん(47才)が演じる副支店長は本当にリアルですね。副支店長は実際にあんな感じで、支店長の顔色ばっかり窺う人間になりがちなんです」
逆らえないのをいいことに、上司が気に入らない部下に嫌がらせをするのも日常茶飯事だという。
「若いころは“お前は使えない”と多くの同僚がいる前で平気で言われたし、何時間も立たされて説教されたこともあります。今は“ゆとり教育をうけた連中は使えねえなぁ~”というのが決まり文句です」(前出・30代中堅行員)
さらに大手金融機関を渡り歩いた経歴を持つ経済評論家の山崎元さんがこう話す。
「銀行はお金を扱うので、組織としてだけでなく、個人への監査や査察も非常に厳しい。メガバンクになると、支店に社員食堂がついているんです。それは、社内で昼食を食べさせることで、外部との不用意な接触や情報漏洩を防ぐ目的があるわけです。
それから銀行員は“休みはまとめて取れ”と言われますが、その休みの間に何か不正はないかと身辺を調べられる。もはや“相互監視”の世界なんですよ」
それゆえ銀行マンは、帰宅する際には、机の上は全て片付け、引き出しにはすべて鍵をかけるというから、息がつまりそうだ。
※女性セブン2013年8月22・29日号