ロシアで勾留中に死亡したウクライナ人フリージャーナリスト、ビクトリア・ロシチナさん(Facebook /時事通信フォト)
「真実を話すことを恐れたことはありません。人々は真実を知る必要があり、罪ある者は責任を問われなければならない。私にとって、それは勇気などではなく、ジャーナリストとしての義務だ」──2022年国際女性メディア財団が主催する「ジャーナリズム勇気賞」受賞の際に、ビクトリア・ロシチナさんが寄せたコメントだ。
8月8日(現地時間)、ウクライナの首都・キーウでロシチナさんの葬儀が執り行われた。死亡した正確な日時は不明。葬儀時、彼女は生きていれば27歳だった。
ロシチナさんは、ロシアのウクライナ侵攻の取材に勇敢に挑んだフリージャーナリストだった。取材で訪れていた占領地で露・連邦保安局(FSB)に捕えられ、刑務所で勾留中に死亡。今年2月に遺体がロシアからウクライナへ返還されていた。しかし、その遺体には不審な点が数多く見られていた。大手紙国際部記者が語る。
「遺体の入った袋には『身元不明の男性』を示す文字「NM」が記載されていたとのことです。遺体には、多くのナイフによる傷跡、電気ショックによる足の裏の火傷や肋骨の骨折、腰と頭の擦り傷など、拷問を受けた明らかな形跡が確認されたようです。
さらには、首の骨が折れていることも確認されていますが、これは絞殺によって起こりうる損傷の一種だとみられています」(大手紙国際部記者)