ライフ

肥満・老化対策には「血糖値のコントロールが重要」と専門家

 最新の食料統計の結果、今年、米国を抜いて世界一の肥満国となったメキシコ。さっそくメキシコ議会は10月末、高カロリー食品と炭酸飲料へ課税案を通過、国を挙げて肥満対策に取り組むことになった。同統計によれば、肥満はメキシコだけでなく先進国に共通した悩みで、世界の肥満人口は1980年に比べて倍増している(国連食糧農業機関しらべ)。欧米人に比べてスリムだといわれる日本人にとっても、人ごとではない。

 食べ物がおいしくなる秋から忘年会などで外食が増える冬にかけては、体重の増加が気になる時期。常にダイエットや美容を気にしている女性にとっては“魔の時期”だ。でも、誘いを断ったり、おいしい食事をがまんするのはツライ……。そんな人におすすめなのが、血糖値をコントロールすることだという。

「血糖値と聞くと、糖尿病のイメージが強く、30代、40代の女性にはピンと来ないかもしれませんが、実はダイエットや美容に大きくかかわっているのです」と話すのは、美容研究家の山田みどりさん。

「血糖値が急上昇する生活を続けていると、太りやすくなります。人間は炭水化物などの糖質を摂取して血糖値が急上昇すると、血糖値を下げようとインスリンが分泌されます。しかし、インスリンには余った糖質を体内に溜め込む働きや、食欲を増進する作用が。また、血糖値が高いと脂肪が燃焼されにくくなり、体に蓄積されて太りやすくなります」(山田さん)

 さらに、血糖値が急激に上がったり、高血糖の状態が長く続いていると、老化のスピードが速くなるともいう。

「近年、美容業界などでも注目されているのが『糖化』です」(山田さん)

 糖化とは、体内で余った糖がたんぱく質と結びついて、老化物質を生み出す反応のこと。

「人間の体の約70%はたんぱく質でできているので、糖化すると体中の老化を速めることになります。特に糖化により肌にとって大切なコラーゲンがハリや弾力を失うと、たるみやくすみなどの肌老化が目立つようになります」(山田さん)

 では、血糖値を上手にコントロールするにはどうしたらよいのだろうか。管理栄養士の浅野まみこさんはこう解説する。

「炭水化物や糖質は、ブドウ糖などに小さく分解されて吸収されると、血糖値を上昇させます。分子が細かい食材ほど血糖値は急上昇します。例えば、米飯よりも粉になっている小麦粉や、ジュース類のほうが急激に血糖値を上げるのです。また、玄米よりも白米、胚芽パンよりも白いパン、そばよりもうどんというように、精製されているもののほうが食物繊維が少なく、血糖値の上昇が気になります」

 食べ方としては、食物繊維が豊富な野菜などを最初に食べることが大切に。

「食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにして、脂質の吸収を抑えてくれる働きがあるうえに、満腹感を与えてくれるので食べすぎ防止にもなります」(浅野さん)

 とはいえ、糖質をまったく摂取しないというのは間違い。

「ここ数年、糖質オフダイエットなどが話題になりましたが、糖質をいっさい摂取しないというのはダイエットには逆効果。糖質をずっと抜いていると次に摂取したときに吸収がよくなってしまい、リバウンドしやすい体になってしまいます。糖質は体にとって重要なエネルギー源。ゼロにするのではなく、昼間に食べたら夕食では減らすなど、量で調整したり、食べ方で気をつけたりしましょう。

 また、血糖値の上昇をゆるやかにするお茶や食品なども販売されているので、そうしたものを利用するのもおすすめです」(山田さん)

 たとえば、サラシニアエキスやヒハツなど7つの植物成分によって糖の吸収を抑制する「茶々茶」(2g×30包 4800円/プレステージ)や、食物繊維の働きで糖分や脂肪の吸収を抑える粉末タイプの「賢者の食卓ダブルサポート」(6g×30包 1890円/大塚製薬)、グァバ葉ポリフェノールの働きで糖の吸収をおだやかにする、ほうじ茶のようなすっきりした風味の「蕃爽麗茶 香ばし風味」(200ml 105円/ヤクルト本社)がある。

 食事は人間にとって欠かせないうえに、毎日必ず行うもの。だからこそ、上手な血糖値のコントロール法を知って、ダイエットや美容の味方にしよう!

関連キーワード

関連記事

トピックス

なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン