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巨人・阿部慎之助監督「契約最終年」の険しい道 坂本や丸の復活よりも「脅かす若手の覚醒がないとAクラスの上位争いは厳しい」とOBが指摘

今の巨人に必要なのは?(阿部慎之助・監督)

今の巨人に必要なのは?(阿部慎之助・監督)

 阪神タイガースの優勝バブルが続いている。国内FA権を行使せずに残留を決めて年俸が5億円(今季3億7000万円、推定・以下同)となった近本光司を筆頭に、中野拓夢の3億円(同1億4500万円)、村上頌樹2億3000万円(同8000万円)、森下翔太2億1000万円(同7800万円)、石井大智2億円(同8200万円)と軒並み大幅アップ。2冠を獲得してまだ契約更改していない佐藤輝明(同1億5000万円)を含めて2億円以上が10人になると見られている。その一方、“バブル崩壊”の様相を呈しているのが巨人だ。

 V逸となった巨人ではプロ20年目を迎える坂本勇人が年俸5億円から2億円ダウンの3億円で契約更改。坂本は昨年オフも1億円ダウンで、2年連続で1億円以上ダウンとなっている。丸佳浩が年俸3億2000万円から1億2000万円ダウンで2億円に。年俸2億4000万円の戸郷翔征と1億6000万円の田中将大はそれぞれ6000万円ダウンとなった。複数年契約の甲斐拓也は年俸3億円の現状維持で、年俸の上げ幅で最高額はそれぞれ1億8000万円から9000万円アップとなった大勢と山崎伊織だった。

 優勝すれば年俸が上がり、V逸でダウンとなるのは当然だが、問題は来年38歳の坂本、田中、37歳の丸が残留し、来季が契約最終年となる阿部慎之介監督率いる巨人が目立った補強もできていないことだ。同じ年俸2億円、3億円でも、勢いのある若手の手が届くのと、高額年俸のベテランがなんとか踏みとどまるのとでは大違いだ。巨人担当記者が言う。

「長野久義が引退し、来季はマー君と坂本がチーム最年長となる。坂本は契約更改後の会見で、坂本は“まだまだ終わりたくない。レギュラーでもう1回、長い時間グラウンドにいられるように。それだけが目標”とコメントしている。今季の坂本は62試合に出場しているとはいえ、ほとんどがベンチか代打。先発スタメンは31試合しかない。打率.208、3本塁打、22打点ですからね。ただ、代打ではシーズン終盤に結果を残しており、やはり来季も右の代打要員は間違いない。

 来季は主砲の岡本和真がメジャー移籍するため、球団としても4番候補を模索中だが、坂本復活より2024年ドラフト1位で高卒ルーキー2年目となる石塚裕惺に期待する球団関係者のほうが多い。丸にしても、1億2000万円ダウンの2億円とはいえ、36歳で2年契約ですからね。2年かけてあと71本となった2000本安打を目指すわけではないだろうが、ドラ1ながら芽が出ず来年は4年目になる浅野翔吾をはじめ若手が伸びてこないために、丸に頼らざるをえない。巨人の外野はFAで日本ハムから加入した松本剛、残留したキャベッジと丸で開幕スタメンは決まり。若林楽人や萩尾匡也、佐々木俊輔が丸からポジションを奪えそうなら、2年契約はなかった」

 内野に目を向けてもなかなか展望は見えないという。

「ショートは昨年覚醒した泉口友汰で、セカンドの吉川尚輝も決まっているが、岡本がポスティングでメジャーに挑戦することになって、ファーストとサードは白紙ですからね。

 このオフの補強はFAで日本ハムから獲った外野手の松本だけ。マエケン(前田健太)を楽天に奪われ、中日の柳裕也はFAの権利を行使しなかった。あとは外国人で補強するしかない。おまけに契約更改で将来の正捕手といわれている山瀬慎之助がトレードを直訴するなど、若手は頑張っても上が詰まっているのでチャンスがないと不満が充満している。かなり深刻な状況ですね」(前出・巨人担当記者)

 巨人で投手コーチ経験があるOBの関本四十四氏はこう嘆く。

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