芸能

NHKごちそうさん 今後のオバサン姿が楽しみな若手女優とは

 ヒットする作品には、必ず脇で光る存在があるもの。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 新年の幕が開きました。大人気のNHK朝ドラ「ごちそうさん」も、いよいよ後半スタートです。

 西門悠太郎・め以子の夫婦に3人の子どもができた。父・正蔵が家に返ってきた。もろもろの変化はあるけれど、何が目をひいたといって、アレほど驚いたことはありません。

 彼女の変身ぶりです。ドラマが始まった当初は、蚊の鳴くような声で引っ込み思案で隅っこにいた。パッツン前髪に着物で前屈み、地味で小さな存在だった。それが、もうびっくり。

 何度も目を凝らした。本当に同じ人かなと、まじまじと見てしまった。テレビ画面に近寄ってあらためてその顔を確認してしまった人、私以外にもきっといたはず。

 ワンピース姿にウエーブをかけた髪の毛が肩まで伸び、前髪はぐっと上げておでこを出す。アイメイクした横顔は、きりっとしたビジネスガール。かつての希子とはまったくの別人にしか見えない。希子演じる高畑充希さんが、素晴らしいカメレオンぶりを発揮しています。

 役者は変身の動物。これほど見事に変わることができるのは、高畑さんという役者の中に、変身する才覚が息づいているから。自分自身も、過去のキャラクターも、いったんきれいに捨ててゼロリセット。そして、また別のものになりきる。役者は捨てる才能を問われる職業でもあるのです。

「かわいいままでいたい」「きれいに見せたい」といった余分な気持ちが少しでも残っていたり、過去や自分を引きずっていたりすると、次々に別のキャラクターになりきるのは難しい。不思議なことに、役者にそうした躊躇や迷いがあると、テレビ画面を通してお茶の間の私たちにも伝わってきてしまうのです。

 高畑さんは若いのに、そのことをよく自覚している。

「せっかく一人の人生長くやらせていただけるんだもの、悔いなく、とどまらず、女子→女→おばちゃん 楽しく老けていけたら、と思っています」と、彼女は自分のブログに書いているのですから。

 ハァー、期待できるなあ。これから見られるオバサン姿?を楽しみにしたい。

 さて、高畑さんが「変われる役者」だとするなら、一方に、変わりたくても変われない役者さんが。どうやっても三人の子持ちに見えないと思うのは私だけでしょうか?

 スクープ報道によると、年始のお休み期間、夫役・東出昌大くんの実家でお雑煮を楽しんだとか。西門夫婦の親交を深めるのもいいけれど、この際、演技の稽古も大切かも。

 なんだか新年早々、小姑・和枝さんの「いけず」が乗り移ってしまったようですね、すみません。後半の「ごちそうさん」に期待と愛をこめての辛口まで。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン