東京では今年からいよいよ五輪に向けたインフラ整備の公共事業が本格化する。
メーンスタジアムとなる新国立競技場(約1300億円)の建設は国費で行なわれるが、都は1万7000人を収容する東京・晴海の選手村(約1000億円)をはじめ、1万5000人収容の有明アリーナ(バレーボール)、大井ホッケー場(1万人収容と5000人収容の2面)、そして夢の島には1万8000人収容(バスケット)と7000人収容(バドミントン)の2つのアリーナ、7000人収容のアーチェリー会場などを新設し、仮設、大改修を合わせて20か所の競技場の整備を担当する。
その開発業者の選定は今年から本格化し、建設費用は東京都の公共事業費約8663億円(一般会計)とは別枠の五輪基金などで賄われる。
施設整備以外にも、交通インフラでは五輪に合わせて羽田―成田を59分で結ぶ都営浅草線の新線建設(約3500億円)や総事業費4兆円といわれる首都高速都心環状線の地中化構想などが浮上しており、準大手ゼネコンの幹部は、「業界ではいま、東北の震災復興事業にあたっている数千人の建設技術者を東京にシフトさせる準備をしている」と五輪特需に胸を膨らませている。復興は後回しと言わんばかりなのだ。
※SAPIO2014年2月号