やはり「捕手を育てるのは時間が掛かる」という野球界の定説に間違いはない。とはいえ、早くから頭角を現し、3年でレギュラーの座を奪取した高卒捕手も存在する。
野村克也(南海など)は2年目は出場ゼロながらも、3年目に129試合出場、2割5分2厘、7本塁打でレギュラーを獲得。城島健司(ダイエーなど)も、3年目に120試合出場で3割8厘、15本塁打でチームの中心選手に成長した。
伊東勤(西武)は定時制高校を経てプロ入りしたため、普通の高卒よりは1歳年上だが、3年目の1984年に113試合出場、2割8分4厘、10本塁打と活躍。その前年、巨人と激闘を演じた日本シリーズでは第4戦から4試合連続でスタメンマスクを被り、日本一に貢献している。梨田昌孝(近鉄)も、3年目に打率1割9分4厘ながらも115試合出場を果たしている。
プロ野球の歴史を振り返っても、高卒3年目で正捕手になるのは至難の業。だが、その年にレギュラーを奪えば、大捕手への道が開かれているといっても過言ではない。素質は十分の高卒3年目の高城。鶴岡の移籍が、歴史に名を刻むキッカケとなるか。