中畑清一覧

【中畑清】に関するニュースを集めたページです。

プロ2年目の横浜DeNA・牧秀悟(時事通信フォト)
三冠王候補なのに地味なDeNA牧秀悟 中畑清氏は愛称「ハイマッキー」を提案
 どっしりとした構えに落ち着いた所作。打席で纏う雰囲気はプロ2年目とは思えない。6月6日時点で打率3割3分3厘、15本塁打、46打点の成績を残し、打率、打点はリーグトップ、本塁打も岡本和真(巨人)を2本差で追いかける。 落合博満氏以来となる日本人右打者の三冠王についても、三浦大輔監督は「取るでしょ。それだけのものを持っていますし、マークされたなかであれだけの活躍をしてますから、大丈夫でしょう」(6月4日付、日刊スポーツ)と太鼓判を押す。 セ・リーグのある球団のエースは、匿名を条件に牧についてこう語る。「軸が全くブレないんですよ。緩急をつけたり、足元に投げてもきっちり踏み込んでミートする。速い球で差し込んだと思っていてもリストの強さで押し込むので、広角に打球が伸びる。得点圏の場面で対戦した時は、打たれると感じて四球にしました。あんなスキのない打者は今まで対戦したことないですね」 これほどの賛辞を贈られる強打者だが、大活躍した昨年同様、メディアの扱いはどうにも小さい。「昨年はルーキー史上初のサイクル安打を達成し、長嶋茂雄を超えるリーグ新人最多二塁打、清原和博以来4人目の3割&20本塁打と、様々な記録を塗り替えた。ただ球宴は前半戦大活躍した佐藤輝明(阪神)の陰に隠れて選出されず、新人王にも栗林良吏(広島)が選出されるなど、不遇な印象が強い。スポーツ紙も他球団なら1面の活躍を4、5面で扱うケースが目立ちます」(スポーツ紙記者) 6月6日にNPBが発表したオールスター中間投票では二塁手部門でトップの得票数を獲得したが、コアファン以外に認知されているとは言いがたい。DeNAベイスターズとしての初代監督を務め、積極的なメディア発信を行ない「営業本部長」とも呼ばれた中畑清氏は、球団の発信力に疑問を投げかける。「この男をスターにしないで誰をスターにするんだというぐらいの逸材だよ。オレなら売って売って、売りまくる。“牧が活躍しても勝てないのは監督のオレの責任だ”ってくらい、命がけでアピールしなきゃ。 新庄(剛志)監督の日本ハムがいい例。DeNAと一緒で勝てないのに、1番の松本剛から始まって、清宮(幸太郎)、万波(中正)、あと今川(優馬)か。名前を覚えちゃって、『今日はどうなったんだ』って気になるんだよな。ファンに気にさせてなんぼの世界なんだよ」 圧倒的な成績に見合う注目を浴びる方法として、中畑氏はこう提案する。「ニックネームだな。オレの“絶好調男”や松井の“ゴジラ”のようにね。牧だから“マッキー”でいいんじゃない。マジックじゃないけど“ハイマッキー”でもいいと思う。高いレベルで頑張る“ハイマッキー”。『バッティングはマジックのように打ちます』とか言ってね。 監督が営業本部長にならないとダメ。球団も協力することでいい環境になるんだから。ファンクラブを巻き込んでやるべきだね。ファンクラブでニックネームを募集し、採用された人には年間指定席をペアでプレゼントすればいいんですよ」 大洋一筋の元エース・平松政次氏は、代名詞である“巨人キラー”の継承を願う。「全国区になるには巨人戦で勝つしかない。これが第一条件。これは我々の時代と同じだと思う。全国的な注目度では、巨人や阪神には勝てないからね。マスコミの力は大きい。そういうところで活躍していれば、おのずと注目を集めるでしょう」 ベイのスターが球界のスターになる日は来るか。※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.10 11:00
週刊ポスト
巨人のOB会長も務める中畑清氏はどう見る?
プロ野球大物OBが2022予測「巨人の問題は選手の意識の肥満」
 プロ野球の「新監督」は常に注目されるが、今年は日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志氏が話題を席巻。大物球界OBである江本孟紀(元南海ほか、野球評論家)、中畑清(元巨人、野球評論家)、達川光男(元広島、野球評論家)の3氏は来季の指揮官たちの手腕をどう評価するのか。【全3回の第3回】中畑:セリーグは中日の立浪(和義)新監督はどうかな。ヘッドが落合(英二)でコーチにノリ(中村紀洋)や森野(将彦)、二軍監督が片岡(篤史)と同世代で周りを固めた。逆にちょっと心配だよね。江本:「お友達内閣」は大体うまくいかない。でも、ヒゲ・茶髪禁止なんかは、立浪のスタイルだからいいと思うね。達川:かわいい顔して、気の強さは一番。1年目からレギュラーで出て、星野(仙一)監督から「挨拶するな」と言われていたから、打席で立浪から挨拶されたことがない。「立浪、PLでは挨拶も教わらんのか」と言ってやったら、黙ってガツーンと打ちやがった。気が強くて、意外とワンマン政権になるんじゃないか。江本:セでは昨シーズンは久しぶりに巨人をボロクソに言うことができましたわ。原(辰徳)政権の行き詰まりというか、菅野(智之)はじめポイントとなる選手が働かなかった。中田翔を獲得して失速したし、ことごとく裏目に出ている。中畑:オレはOB会長だからあんまり言えないわな。でも中田が入るまでは本当に勢いがあった。これからという時に、なんでという補強だったよ。オレはショックだった。達川:原監督は元木(大介)ヘッドに相談しているんかな。中畑:オレはOB会長としてここまでが精一杯だ。江本:あとはチームの肥満。選手の意識の肥満ですよ。恵まれすぎというのが滲み出て、試合に負けても悔しさが見えない。リリーフも出てくると必ずランナーを出す。自分でピンチを作っておいて、失点しなければ手柄を立てたかのようにベンチに帰ってくる。アホかと。達川:小林(誠司)もあのリードと成績で1億円をもらったらアカンよね。中畑:阪神はどうかな? 矢野(燿大・監督)は急に梅ちゃん(梅野)を使わなくなったよな。達川:ノムさん(野村克也氏)が現役時代の矢野のリードを見てマスコミに「最下位のキャッチャーだな」とボヤいていた。矢野は同じようにマスコミに梅野のことを言ったんだけど、免疫がないんですよ。あのあたりから関係がおかしくなった。矢野としては悪く言ったつもりはないけど、今の若い子は傷つくんだよね。江本:新聞を通じて言うのは一番よくない。中畑:褒めるのはいいが、叱る時は直接が鉄則だよ。達川:その点、DeNAの三浦(大輔)監督は上手い。桑原(将志)が巨人戦で9回2死から内野フライを打ち上げた時、相手野手がイージーフライを落球したのに全力疾走を怠っていた。三浦は桑原を呼んで、「お前はそんな選手じゃないから一生懸命走れ」と言って、試合から外さなかった。そこからガンガン走るようになった。これだよね。外野手出身でも名監督に江本:昨シーズンは12球団の監督で外野手は栗山(英樹)だけだった。日本ハムは3年連続5位だけど、栗山は日本一にもなっている。新庄は外野手出身だがどうだろうね。達川:ノムさんは「キャッチャーは名監督になる」と言ったが、そのキャッチャー出身監督で評判を落としたのが古田(敦也)、谷繁(元信)、そして達川光男(笑)。ノムさんもみんな称えているが、ヤクルトの9年で優勝4回は立派だけど、阪神で3年連続最下位です。江本:ただし成績と人気は別物。ノムさん時代の阪神は日本一となった1985年以来の観客動員だった。日本ハムも成績にかかわらず満員の可能性はある。達川:新庄は「支配下全員にチャンスをやる」と言ったからね。チーム全体が一生懸命やると思う。江本:新庄のように「最下位でもいい」という考え方が阪神の矢野監督にもあれば、佐藤輝明を育てられたと思う。佐藤を「掛布(雅之)、岡田(彰布)に育てる」と明言し、最下位になったら「すみません」と謝ればいい。矢野にそれぐらいの根性があればね……。中畑:オリックスのラオウ(杉本裕太郎)は、中嶋(聡・監督)が「心中します」と4番に据えたんだからね。最後は戦力だが、選手と心中する信念が監督にあるかどうか。それがないと、ダメなんだろうね。(第1回、第2回はこちら)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1976年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1978年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年1月14・21日号
2022.01.10 07:00
週刊ポスト
最近の若手育成について語った
プロ野球大物OB座談会 「若手に無理をさせない風潮」をどう考える?
 プロ野球の「新監督」は常に注目されるが、今年は日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志氏が話題を席巻。大物球界OBである江本孟紀(元南海ほか、野球評論家)、中畑清(元巨人、野球評論家)、達川光男(元広島、野球評論家)の3氏は来季の指揮官たちの手腕をどう評価するのか。【全3回の第2回】江本:それにしても、最近の若手育成はどうかと思うね。達川:広島の佐々岡(真司)監督はルーキーの栗林(良吏)に3連投させなかった。若い子に無理をさせない風潮はある。中畑:たしかにヤクルトの奥川(恭伸)のような高卒新人はわかるが、栗林は社会人出身だからね。達川:でも、中畑監督もDeNAでは山崎康晃を守護神でこき使って、今は全くダメでしょう。中畑:そうだった(苦笑)。江本:監督はそれでいいんですよ。どんどん使い捨てたらいい。延命させたところで、そんなに大した成績を残すわけでもない。今のピッチャーにはタマを投げさせないけど、70歳まで現役を続けさせるつもり? そのくせ、キャンプではチンタラやらせている。中畑:筒香(嘉智)が典型だったね。トレーナーが「手首の靱帯が伸びて100スイング以上したら切れる」と言ってきたから「バカか」と怒鳴ってやった。「その程度で使えなくなる奴に4番は任せられない」とキャンプに連れていかなかった。江本:その点、新庄はチャラ男と思われがちだが、現場にはやる気が伝わっていると思う。日本ハムのキャンプは楽しみだよ。中畑:同じパではソフトバンクで二軍監督の藤本博史が昇格したね。達川:南海からの生え抜きで打撃コーチもやった。引退後に3年くらい居酒屋をやっていて、接客経験があるからか選手とのコミュニケーションが上手い。柳田(悠岐)のハートもすぐに掴んだよね。江本:巨人もコーチ陣を居酒屋へ研修に行かせたほうがいいんじゃないか。中畑:オレの理想で言えば、監督はお飾りでいいんだよね。あとはヘッドコーチがスタッフ含めてみんなを動かしてくれる。達川:僕はソフトバンクでヘッドをやりましたが、工藤(公康)監督からは「好きなようにやってください」と言われた。監督はゲームが始まってからの采配での決断だけ。二軍から上げたり落としたりと雑用がたくさんあるが、それはヘッドの仕事。「監督には言わないから」と選手からケガの状態や本音を聞き、場合によっては監督の耳にも入れる。ヘッドはもう一度やってみたいよ。勝ち負けの責任は取らないし、やりがいがあるからね。江本:ソフトバンクはコーチがコロコロ変わる。達川:王(貞治)会長が新陳代謝を狙うというか、長期政権を嫌うんです。工藤監督は7年続きましたが、その間に投手コーチだけで5人も変わった。藤本監督は、工藤監督の後だと特にいいと思う。何事もきっちり決める工藤監督と正反対だから新鮮になる。新庄の日本ハムには高い壁でしょう。(第3回につづく。第1回はこちら)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1976年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1978年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年1月14・21日号
2022.01.07 16:00
週刊ポスト
“ビッグボス”への注目度はやはり高い(写真/共同通信社)
プロ野球大物OB座談会「新庄の言動に違和感はない」と見解一致
 プロ野球の「新監督」は常に注目されるが、今年は日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志氏が話題を席巻。大物球界OBである江本孟紀(元南海ほか、野球評論家)、中畑清(元巨人、野球評論家)、達川光男(元広島、野球評論家)の3氏は来季の指揮官たちの手腕をどう評価するのか。【全3回の第1回】中畑:オレも監督をやらせてもらったが、新庄のパフォーマンスはちょっとオレをパクっているところがあるかなぁ(笑)。もちろん目標は一緒だよ。ファンあってのプロ野球。それをしっかり考えているよね。最初は話題性でいくしかないんだから。江本:清宮(幸太郎)に「やせろ」と命じて1週間で5キロほどやせてきた。そのやり取りが最高だった。清宮が「体重がないと飛ばない」と言ったら、新庄は「今も飛んでないじゃないか」とやり返した。頭の回転が良いよ。中畑:今の時代にマッチしていると思う。達ちゃんはどうよ?達川:我々と表現が違うだけで、指摘するポイントは正しい。ゆとり世代の選手に合うように言っとるよね。真っ白なワゴン車の上に立って、外野からの返球は高い球じゃいけないとバットで示してたけど、理に適っとる。江本:オレも新庄の言動に違和感はないね。清さんじゃないけど、オレの二番煎じかなと……。奇抜なファッションや長髪、ヒゲは南海時代にオレがやっていたから。オフの「オールスタープロ野球12球団対抗歌合戦」では、みんな背広にネクタイなのに、オレだけエリを立てたジャンパーを着て“雪が降る~”と歌っていた。ONが迷惑そうな顔で見てたよ。中畑:オレもDeNA時代は色々やったけど、昔のパ・リーグの不人気は半端じゃなかったからね。失礼いたしました(笑)。江本:とにかく目立ったほうがいい。オリックスの中嶋(聡)監督なんか、日本シリーズで初めてこんな顔なのかと知ったよ。達川:新庄は野球ではマジメですしね。僕がマスクをかぶっていて初めて新庄が打席に入った時、「お前が新庄か」と話しかけて1ストライク、「男前じゃのぅ」で2ストライク、「写真誌に気ぃつけよ」で三振。1回も振らない。「なんで振らんのや」と聞くと、「話を聞かなきゃいけないのかと思った」と言う。かわいそうになって、それから新庄の打席では一度も話しかけなかった(苦笑)。江本:問題は新庄がどんなに頑張っても、この戦力で大丈夫なのかと。大田(泰示)、西川(遥輝)、秋吉(亮)を戦力外にしたけど、この3人以上の選手いる? 稲葉(篤紀)GMに聞いてみたいね。中畑:とはいえ、日本ハムは若手の宝庫。吉田(輝星)や清宮を巻き込んだパフォーマンスをやって、育てていくんじゃないか。結果はさておき、最初は集客のためにも使うよね。達川:日本ハムの弱点はインコースを使わないキャッチャー陣ですよ。上沢(直之)や伊藤(大海)とかいいピッチャーがいるだけに、FAで阪神の梅野(隆太郎)を獲れれば面白かったけどね……。まあ、阪神二軍コーチだった山田(勝彦)が引き抜かれ、あいつはインコースをよく使ったから楽しみ。江本さんはインコースをよく使っていたけど、どう見てます?江本:オレのは勝手にいっただけだから(笑)。(第2回につづく)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1976年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1978年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年1月14・21日号
2022.01.06 16:00
週刊ポスト
最近の若手育成について語った
プロ野球キャンプ「試合形式ばかり」の是非 新庄監督はどうするか
 2021年も終わりを迎えようとするなか、プロ野球選手たちは自主トレを始め、年が明ければ2月のキャンプインが迫ってくる。シーズン開幕に向けて選手たちは調整を重ねるわけだが、昭和の時代とは、かなりの違いがあるようだ。そうした景色を眺めた球界OBからは、心配の声があがるとともに、新たな試みへの期待も聞こえてくる。 かつてシーズンオフの若手選手に厳しいトレーニングが課された例として知られているのが、1979年秋の「地獄の伊東キャンプ」だろう。長嶋茂雄監督率いる巨人が静岡県伊東市で約1か月にわたって行なった秋季キャンプである。投手では江川卓氏や西本聖氏、野手では中畑清氏ら当時の若手メンバーが参加した。栄光のV9メンバーが次々と引退していくなか、同年のシーズンを5位で終えた長嶋監督が意識改革のために実施したものだ。 中畑氏は当時のことを「あの地獄の1か月があったことで、“ここまでやったら何か残るんじゃないか”と思えましたね。自分の持っている力の裏付けのようなものを感じられた」と振り返る。 地獄の伊東キャンプが話題にあがったのは、本誌・週刊ポストの1月4日発売号掲載の「2022大予言」特集のための江本孟紀氏、中畑氏、達川光男氏の座談会の取材現場でのことだ。来季の展望について語る座談会のなかで、オフのトレーニングの“今昔比較”が話題となったのである。腹筋や急斜面ダッシュ、素振りなどの基礎的トレーニングをひたすらに繰り返した伊東キャンプの記憶を引き合いに出しながら、中畑氏はこんなふうに語った。 「今の監督は、“試合形式”が好きだよね。練習ってそうじゃないと思うけどね。個々がレベルアップするためには、コーチが指導できる時間を作って、それぞれの選手に合ったマンツーマンの練習をしないと。そういう時間を大切にしてもらいたいと思うけど、秋季キャンプでも“選手の技量を見たい”といってはすぐに試合形式だからね。伊東キャンプを真似しろとまでは言わないけど、秋は1試合もいらないと思うよ」 それに対して江本氏は、「今は自主トレからキャンプ、オープン戦、開幕まで、どうもダラダラしてメリハリがないよね」と応じた。「鶴岡(一人)監督時代の南海は、その意味ではすごくメリハリがあったんです。オープン戦ではいつも最下位。オープン戦が終わるまでは、選手たちも徹夜で麻雀をしたりとチンタラしているんですが、オープン戦終了から開幕までの1週間で地獄の練習をしたといいますね。練習しないノムさん(野村克也氏)までギンギンに練習したそうですよ。それで開幕に突入して、パ・リーグで黄金時代を築いたわけですからね」(江本氏) 達川氏は広島監督時代、選手に厳しいトレーニングを課したことで知られる。江本氏は「達川が監督になった時は、期待したんだけどね……。シーズンで投げる倍は投げないといけないといって、キャンプでしっかり投げ込みをさせて。言ってることはその通りだと思ったよ」と話を振ったが、達川氏は「うーん、でもみんな故障してね……。投げ込みをする体ができていなかった」と苦笑した。 そんなふうに過去を振り返った3人だが、来季に向けて期待を寄せたのが、日本ハムの新庄剛志・新監督だった。中畑氏はこう語っている。「やっていることにメリハリがあるよ。表でパフォーマンスをやる一方で、裏でキャンプを視察して、トライアウトにも顔を出す。ちゃんと自分の目で確かめている。2月からのキャンプは楽しみだね。つらい練習をさせるけど、雰囲気は明るいのを目指すんじゃないかな。メリハリをうまく演出していくと思います」  新時代の指揮官は、キャンプでどのような驚きを提供してくれるのか。
2021.12.30 16:00
NEWSポストセブン
歯がゆいシーズンが続く(時事通信フォト)
大失速の巨人 チーム内に物言えぬ空気を生み出した原監督の責任は
 シーズン終盤に大失速し3連覇が消えた巨人。原辰徳監督の采配は批判にさらされることとなった──。今季、原監督はシーズン中にコーチの配置換えを3回も行なっている。「コーチにファームを勉強させたいという意図があった」(巨人番記者)という見方もあるが、元V9戦士でヤクルト、西武の監督として日本一を3回経験している広岡達朗氏は苦言を呈する。「監督になった以上、コーチを育てる義務がある。原監督の就任した時に“永久に監督ができるわけではないんだから、いいコーチ、後継者を育てて勇退しろよ”と電話した。“分かりました”と言っていたが、できているか疑問だね」 シーズン終盤には阿部慎之助二軍監督が一軍作戦コーチに異動した代わりに石井琢朗一軍野手総合コーチが三軍コーチに降格している。チームはその後、球団史上4度目の10連敗と長いトンネルに突入する。第2次長嶋政権で一軍打撃コーチ、2012年から2015年までDeNAの監督を務めた中畑清氏は、この異動でさらに現場が混乱したのではないかと言う。「(元木)大介がヘッドコーチで、慎之助が作戦コーチでベンチに入ったけど、これで作戦を立てる人が2人になってしまったし、慎之助の存在感が伝わってこなかった」 シーズン中に目立ったのは、原監督が打撃コーチを差し置いて、不振に陥った岡本、丸佳浩らに指導する姿だった。広岡氏は言う。「打撃コーチが自分の意見を言えない。V9時代、ワンちゃん(王貞治)に川上(哲治)監督が指導でもしようものなら、荒さん(荒川博)は“オレがバッティングコーチだ”と怒鳴った」 だがコーチにとって人事権を有する「全権監督」の原監督は上司であり、雇用主のような存在だ。これまでの原政権では清武英利GMが年長の伊原春樹氏をヘッドコーチとして登用し、原監督に物言う姿がたびたび報じられてきた。今では監督にコーチが進言する姿は見られない。「元木の存在感がまったくない。もう少し暴れるかと思ったが、原監督にも選手にも“いい人”になってしまっていた。桑田と手を組んで、選手とケンカするぐらいに檄を飛ばせないとチームは強くならない」(V9戦士の黒江透修氏) チーム内に物言えぬ空気を生み出した原監督だが、シーズン終了前に来季の続投を巨人・山口寿一オーナーが発表した。元木、阿部両コーチも留任で、来季以降も原監督の「全権体制」は変わらないと見られる。広岡氏は球団の決断に警鐘を鳴らす。「山口オーナーは経営のプロでも野球は素人。野球はGMが戦力を整えて監督が結果を出せなければ監督がクビ、戦力を整えられずに負けたらGMの責任。今年はFAや新外国人も外れて結果もダメだったんだから(原監督は)クビじゃないの? いまの原巨人の最大の問題は責任が誰にあるかが分からないこと。コーチは監督の顔色ばかり窺って、負けたら監督の責任という雰囲気で、対する原監督はコーチや選手の責任といわんばかりに二軍や三軍に飛ばしてしまう。そんな原監督を野球を知らないオーナーが擁護している。巨人はそんなチームじゃなかった」 第2次長嶋政権で一軍打撃コーチ、2012年から2015年までDeNAの監督を務めた中畑清氏は「全権監督」という立場の難しさをこう語る。「全権監督が責任をとるということは辞めるということだろうね。そして、それを決められるのは辰ちゃん自身だけ。だからその判断はすごく重い。オレにはできない」 11月6日から始まるクライマックスシリーズを勝ち抜けば、逆転日本一の可能性は残っている。狂った歯車を元に戻す最後の機会だ。「3位というのは一番開き直れる順位なので、捨て身でいける。短期決戦で若い選手をうまく使って下克上ができれば、来季につながる可能性はあるよね」(中畑氏) 常勝球団復活のために原監督に与えられた絶大な権限が巨人を自縄自縛に追い込んでいる。※週刊ポスト2021年11月12日号
2021.11.03 11:00
週刊ポスト
ここから巻き返して美酒に酔えるか(筒香嘉智=右とラミレス監督。2017年。時事通信フォト)
DeNAの「4月最下位」は珍しくない そこから浮上した年は何が違った?
 横浜DeNAベイスターズは4月30日のヤクルト戦で敗れ、6勝21敗4分で借金15となった。勝率2割2分2厘で、首位・阪神と13ゲーム、5位・中日と5.5ゲーム離され、セ・リーグ最下位に沈んでいる。得点96はリーグ5位、打率2割2分7厘はリーグ5位タイ、失点154、防御率4.85はリーグ6位。打てず、守れずの状態が続いている。 過去15年、4月終了時点での最下位は8度ある(横浜ベイスターズ時代も含む)。それらの時と比べてみよう。【2006年】牛島和彦監督(最終順位:6位)7勝15敗2分 勝率.318得点117(3位)打率.254(5位)失点157(6位)防御率6.38(6位) 【2008年】大矢明彦監督(最終順位:6位)7勝18敗1分 勝率.280得点79(5位)打率.267(1位)失点122(6位)防御率4.49(6位)【2009年】大矢明彦監督(最終順位:6位)8勝14敗 勝率.364得点62(6位)打率.228(5位)失点94(6位)防御率3.90(6位)【2011年】尾花高夫監督(最終順位:6位)5勝10敗1分 勝率.333得点62(3位)打率.247(3位)失点75(6位)防御率4.40(6位)【2012年】中畑清監督(最終順位:6位)6勝16敗1分 勝率.273得点46(6位)打率.192(6位)失点88(6位)防御率3.63(6位)【2014年】中畑清監督(最終順位:5位)7勝18敗 勝率.280得点100(6位)打率.245(6位)失点147(5位)防御率5.30(5位)【2016年】ラミレス監督(最終順位:3位)9勝18敗2分 勝率.333 得点86(6位)打率.245(6位)失点108(2位)防御率3.32(2位)【2019年】ラミレス監督(最終順位:2位)10勝17敗 勝率.370得点105(4位)打率.239(5位)失点123(4位)防御率4.08(4位) 8度のうち、シーズン最下位は5度。Aクラス入りは2度あった。 4月終了時点に最下位で、チーム防御率もリーグ最低だった年は、シーズンでも最下位に終わっている。2008年は内川聖一が3~4月で4割2分2厘と打ちまくり、相川亮二が3割7分1厘、金城龍彦が3割2分4厘をマークしたこともあり、チーム打率は1位だったが、得点にはあまり結び付かず、投手陣の崩壊もあり、勝率2割8分と過去15年でワースト2位タイだった。 中畑監督1年目の2012年は、広島・前田健太にノーヒットノーランを食らうなど4月中に4試合連続完封負けも喫している。飛ばない統一球の影響もあってか、月間チーム打率1割9分2厘と打てず、得点46とともにリーグ最下位。先発陣も前年5勝の高崎健太郎が開幕投手を務め、2戦目から6戦目までの先発は三浦大輔を除けば、いずれも前年3勝以下の投手。失点、防御率ともに月間リーグ最下位だった。今年のDeNAは、その2012年よりも勝率が低い。 それでは、5月以降、盛り返した年は何が違ったのだろうか。2016年、就任1年目のラミレス監督もスタートは悪かった。新外国人のロマックが打てず、ロペスも絶不調。梶谷隆幸をケガで欠いたこともあり、4月は得点、打率ともにリーグ最下位だった。しかし、投手陣ではルーキーの今永昇太が勝ち星こそ付かなかったが、5試合中4試合でクオリティスタートを達成し、井納翔一は防御率1.47で3勝を挙げた。チーム防御率2位、失点の少なさでも2位と、5月反抗の準備は整っていたように見える。 ラミレス監督は4月限りで打率1割4厘のロマックに見切りをつけた。日本での実績があるロペスは信じて使い続け、5月に復調。梶谷の戦列復帰もあり、1か月で借金を完済した。ラミレス監督は白崎浩之を「1番・サード」で開幕スタメンに抜擢して重点的に使っていたが、5月終了時点で2割2厘、2本塁打、3打点と結果を残せなかった。そこで6月からは新外国人のエリアンをサードで起用。やがて、ホットコーナーは宮﨑敏郎に落ち着いた。 ラミレス監督は期待を掛ける選手に対し、一定期間チャンスを与えて、結果が出なければポジションを剥奪した。指揮官自ら動いて、状況を打破していったのだ。その我慢と見切りのタイミングが絶妙だったと言えるかもしれない。 6月は9勝13敗と負け越して再び借金生活に突入したが、他チームも交流戦に苦戦していたため、この時点で3位に。7月は筒香嘉智が打率4割2分9厘、16本、31打点と大爆発して14勝10敗と勝ち越した。最終的には、借金2ながらも初のクライマックスシリーズ進出を果たした。 2019年は4月中にまさかの10連敗を喫したが、4月終了時点で首位・巨人と6.5ゲーム差、5位・広島と2ゲーム差と十分反抗の余地はあった。2年前に日本シリーズに進出した時とメンバーもあまり変わっておらず、2016年の経験もあってか、現在ほどの悲壮感は漂っていなかったように思える。 一方、今年のチームは梶谷隆幸、井納翔一という日本シリーズ出場者がFAで巨人に移籍し、キャプテンを務めた石川雄洋もチームを去り、6年間の在籍で酸いも甘いも味わったロペスもいない。主砲として4番に座り続けた筒香嘉智も昨年からメジャーリーグに挑戦している。 正直、選手層は5年前や2年前と比べて厚いとは言えない。5月以降も厳しい戦いが予想されるが、三浦大輔監督はいかにしてチームを上昇させるのか、その手腕に期待したい。
2021.05.01 16:00
NEWSポストセブン
横浜DeNAベイスターズ誕生10周年で、三浦大輔新監督を迎えたが…(時事通信フォト)
DeNAに暗黒期再来か 石井琢朗ら功労者への場当たり対応のツケも
 横浜DeNAベイスターズの苦しい戦いが続いている。開幕6連敗でスタートし、4月9日から2引き分けを挟んで10連敗。ソト、オースティン、エスコバーという外国人選手が開幕前に来日できなかったことも響いている。昨年オフ、球団は4位に終わったラミレス監督に見切りをつけ、三浦大輔2軍監督を1軍監督に昇格させた。その一方で、新任のスタッフは仁志敏久2軍監督のみ。1軍と2軍のコーチを入れ替えただけで、首脳陣はほとんど変わっていない。プロ野球担当記者が話す。「DeNAが経営する以前から、ベテランの功労者を簡単に切り捨ててきたツケが回ってきている。有能な指導者候補が他球団に流出しているんです。象徴的なのは、石井琢朗でしょう。38歳の2008年、フロントが引退勧告とコーチ就任の打診をした。 確かに当時左膝の状態が思わしくなく、走力は衰えていた。それでも、98試合出場で打率2割6分2厘。フロントは石川雄洋などの若手起用に切り替えたかったが、将来の幹部候補を慎重に扱うべきでした。石井は広島に移籍し、4年間現役を続けて、現役最終年からコーチを務めた。広島の2016年からの3連覇は石井の指導なくてして達成できなかったでしょう」(以下同) 石井と同じ年には鈴木尚典、2010年には佐伯貴弘というV戦士も戦力外通告を受けた。鈴木はそのまま現役を退いて2軍コーチに就任したが、佐伯は中日に移籍した。ベテランの取り扱いの拙さは、DeNAになってからも変わっていない。「2014年オフには金城龍彦に引退勧告をした。その後、金城が中畑清監督に相談し、一度はフロントが撤回した。しかし、気持ちの切れた金城は巨人へFA移籍。この年の金城は不調でしたが、前年には300打席以上立って、打率2割9分1厘を打っていた。DeNAは1500安打以上放ち、首位打者まで取った人材をいとも簡単に他球団に手放してしまった」 こうしたフロントの場当たり的な対応が、後になって響いてきているのではないか、と続ける。「そもそも石井や金城のような功労者が現役にこだわるなら、突然通達するのではなく、本人の意思を確認するところから始めるべき。全て球団の都合だけで動こうとしている。彼らに引導を渡して、支配下登録を1枠空けるメリットがどこまであるのか。その1枠を使って入団するドラフトの下位選手が彼らのように大成する確率、彼らが指導者として残った有用性を天秤にかけることすらしていない。その時点での経費削減やチーム事情だけを考えた場当たり的な対応が目立ちました。石井や金城が指導者としてDeNAにいたら、今のような惨状にはなっていなかったかもしれません」1軍コーチの約半数が41歳以下という若い陣容 巨人は相川亮二や金城龍彦のように、全盛期を過ぎたように見えるベテラン選手をFAで獲得することがある。引退後のコーチ就任まで視野に入れているためだろう。それを「資金力の差」の一言で片付けるのは容易い。「日本の野球ファンは、お金をかけないで頑張っている球団に肩入れしがちで、お金にモノを言わせた球団経営をすると『金満』などと叩く。しかし、大切なことは『お金の使い方』でしょう。石井琢朗コーチは広島で成功し、昨年就任した巨人でもベテランの中島宏之を復活させた。 今年、巨人が桑田真澄コーチを就任させ、若手投手陣が成長していることからもわかる通り、コーチの陣容はチーム戦力を左右する。DeNAもコーチに投資しない限り、強くなることはないでしょう。そんなに金銭的に厳しいなら、他の部分を削ることに頭を使えばいい。選手の年俸を活躍したら大幅アップさせる代わりに、1年活躍しなかったら大幅ダウンさせる。DeNAに限らず、日本の球団はアップ額の大きさと比べれば、ダウン幅は小さいですからね。 無理して育成選手を獲得するくらいなら、それを辞めて、その分をコーチの年俸に当ててもいい。中途半端に他球団のマネをするのではなく、本当にお金がないならば、ないなりに独自の戦略を考えればいい。近年、コーチの年俸は公になっていませんが、DeNAのコーチ陣は他球団と比べて、かなり安いと聞きます。中畑清監督は公称1億円でしたが、実際は8000万円だったらしい。DeNAは、コーチにお金をかけないで強くなろうというオリジナル路線を走っていますが、明らかに失敗しています」 今年の首脳陣に目を移すと、指導者としては若い41歳以下のコーチが4人もいる。田代富雄巡回コーチを除いた1軍コーチ9人の約半数に当たる。「経験値の高いコーチが少ないため、三浦監督をサポートできない。もちろん若いコーチ陣で勝負することが悪いわけではないですし、現役時代に実績を残せていなくても、コーチとして卓越した手腕を見せる人もいます。しかし、今の1軍コーチで就任以来、結果を残したと言えるのは打撃の田代富雄巡回コーチ、坪井智哉コーチくらいでしょう。 走塁技術には向上が見られないし、捕手も育っていない。ヘッドコーチは監督と一蓮托生のはずなのに、ラミレス監督が辞任しても青山道雄ヘッドは残留した。選手は功労者であってもクビを切るのに、コーチは成果を出せなくてもそのままというのは、本当に不可解。このままでは暗黒期に逆戻りするのが目に見えています」 他球団であれば、このまま最下位に沈めば、オフには首脳陣の粛清が待っている。はたしてDeNAのフロントがコーチ人事にどこまでメスを入れられるか。
2021.04.25 07:00
NEWSポストセブン
130試合目で初勝利。平田真吾の次回登板は先発か中継ぎか(時事通信フォト)
DeNA平田真吾 巨人戦のトラウマと初勝利までの苦難の道
 トラウマになった巨人戦でのプロ初勝利は、何かの縁かもしれない。10月7日の巨人戦(東京ドーム)で、7年目を迎えたDeNA平田真吾が通算130試合目の登板でプロ初勝利を挙げた。168試合目の柴田佳主也(近鉄)、142試合目の祖父江大輔(中日)に続いて、3番目の“初勝利最遅記録”となった。野球担当記者が話す。「2013年のドラフト2位で入団した平田は1年目から開幕一軍入りを果たし、貴重な中継ぎとして、中畑清監督に期待されていました。しかし、プロ2試合目の巨人戦が平田の野球人生に大きな影響を与えたはずです」(以下同) 2014年4月2日のDeNA対巨人戦、8対3とリードした8回表、平田は5番手としてマウンドに上がる。先頭のホセ・ロペスに死球を与えると、続く阿部慎之助に一塁線を破られ、無死1塁、3塁に。坂本勇人に犠牲フライを打たれ、1点を返される。橋本到にセンター前、矢野謙次にレフト前に運ばれ、一死満塁となったところで降板。リリーフした山口俊も巨人の勢いを止められず、この回10失点で大逆転を許した。「この日に先発したメジャー帰りの高橋尚成の復帰初勝利を消し、山口俊の調子も狂わせることになった。結局、高橋尚成は1勝もできないまま、このシーズン限りで引退。山口はリリーフ失格の烙印を押され、先発に転向。結果的には、その後の巨人へのFA移籍、メジャー挑戦と繋がりましたが、平田が受けたダメージは相当なものだったと想像できます」 1年目、平田は9試合の登板に終わり、即戦力の期待に応えられなかった。しかし、2年目の2015年、6月4日に初登板すると、ビハインドの場面を中心に6試合連続無失点を記録。リーグ戦で首位を走っていたものの、交流戦に入って大失速したチームの救世主になるかと思われた。中畑監督の信頼を勝ち取った平田は6月14日の日本ハム戦で、このシーズン初めて1対0とリードした場面で、プロ初先発の砂田毅樹の後を受けた。しかし、矢野謙次に逆転3ランを浴びて、またしても先発の白星を消してしまった。「ここからまた負けている場面での起用が増えますが、11試合連続無失点に抑えるなど活躍しました。そうした中、8月2日の広島戦で、4対3とリードした8回表、勝ちパターンの3番手として登板しました。しかし、ロサリオに逆転2ランを浴び、1死も取れずに降板。ビハインドだと良い投球をするのに、勝ちパターンで投げると打たれる。ルーキーイヤー2戦目の巨人戦のこともあって、平田は勝負弱いというイメージも定着しつつありました」 中畑監督は、それでも平田にチャンスを与えた。8月5日の中日戦では先発・三浦大輔の後を受け、4対1と3点リードの8回裏に登板。しかし、1死を取っただけで降板。自責点4で敗戦投手になった。この3日後に登録抹消されるも、10日で復帰。3試合連続無失点を続け、8月25日の中日戦で1点リードの7回に登板した。だが、またもや同点に追い付かれてしまった。以降、2015年シーズンで勝ちゲームでの登板はなくなった。「中畑監督は入団したばかりの平田を巨人戦に登板させ、無残な姿を晒させてしまったことを悔いて、その残像を払拭させたかったのかもしれません。なんとか一人前にしようという親心が見えました。しかし、同年で退任し、翌年はラミレス監督体制になったこともあってか、平田の出番はわずか4試合に留まりました。2017年は33試合に登板しましたが、敗戦1、ホールド1と重要な場面で任せられるという信頼は得られなかった。負けた試合では、延長10回に入って投手が不足してきた中で登板して、サヨナラ負けとなった。150キロを超える直球を持ち、スライダーも切れるのに、勝ちパターンで投げると打たれる投手というイメージを払拭できなかった」 2018年、平田にチャンスが巡ってくる。4月11日の巨人戦でプロ通算75試合目にして、初の先発マウンドに上がると、5回を無失点。6回表に筒香嘉智が先制2ランを放ち、勝ち投手の権利を得る。その裏にパットンが逆転を許し、プロ初勝利はならなかったが、合格点の結果を残した。しかし、翌週の日程が4試合しか組まれていないことで、平田は登録抹消され、1軍復帰後もリリーフのみの登板で、責任投手になることもホールドを上げることもなく、シーズンを終えた。「昨年は8試合の登板しかなく、年齢的に考えても正念場の今年はラミレス監督の信頼を得て、勝ちゲームでも投げられるようになり、昨日の先発、プロ初勝利に繋がりました。それがプロ2試合目の登板で、大逆転を許した巨人戦だったことも感慨深い。まだ31歳ですし、これから大化けする可能性だってあります」 ヒーローインタビューで「先発やってみたいなという思いはどうでしょう?」と聞かれると、平田は「無理だと思います」と即答した。「わざわざ弱気な発言をしなくていいと思います。この日も5回表に打席が回ってくる場面で、志願して続投しているように、強い気持ちで試合に臨んでいたので、冗談半分、本音ではないでしょう。でも、せめて『次もチャンスがあったら頑張ります』くらいのアピールをしてもよかったのではないでしょうか」 かつて、平田が入団した当初の監督である中畑清は現役時代、長嶋茂雄監督に「清、調子はどうだ?」と聞かれ、「まあまあです」と答えていたところ、土井正三コーチに「お前はミスターの性格をわかっていない。まあまあですなんて言うヤツを使うわけないだろ! 絶好調と答えろ!」と叱られた。そこから、中畑の代名詞となる“ゼッコーチョー!”が生まれ、大卒4年目に開花。1980年代の巨人に欠かせない選手となった。「平田の性格上、大きなことは言わないのかもしれない。でも、言葉で自分を鼓舞する方法もある。これを機に、先発ローテーションを勝ち取る意気込みで頑張ってほしいですね。1年目、2年目のトラウマはなかなか払拭できるものではない。ただ、今までの歩みを見れば、中継ぎではなく、先発タイプだと思います」 次回、平田の登板は先発なのか。それとも、中継ぎに戻るのか。“データ重視”のラミレス監督の起用法を注視したい。
2020.10.08 16:00
NEWSポストセブン
クイズバラエティ番組と化した日テレ・巨人戦中継への評価は
クイズバラエティ番組と化した日テレ・巨人戦中継への評価は
 波紋を呼ぶほど話題の企画となった――。8月20日、日本テレビ系で巨人対阪神(東京ドーム)戦が放送された。この日は解説者と実況アナウンサーが試合を伝える今までのスタイルをガラリと変え、山本浩二、中畑清、江川卓、高橋由伸、赤星憲広というプロ野球OB、羽鳥慎一(フリーアナウンサー)、伊沢拓司(東大出身のクイズプレイヤー)を迎え、『野球脳サバイバルナイター』を敢行した。 この企画では、7人が次の打者の結果を5択で予想。正解すれば、アウト1ポイント、フォアボール2ポイント、犠打・犠飛3ポイント、ヒット4ポイント、ホームラン10ポイントをもらえる仕組みで、各イニングの最下位が1人ずつ脱落していくシステムが取られた。 19時に中継が始まると、5回に江川卓、6回に山本浩二と野球解説者が早々と去り、7回に羽鳥慎一、8回に赤星憲広が姿を消した。中畑清、高橋由伸、伊沢拓司の3人が9回まで残り、高橋由伸が累計ポイント数でトップになり、優勝を果たした。 この日、地上波の巨人対阪神戦はスポーツ中継というより、あくまでクイズの題材になっていた。いわば、新感覚の“クイズバラエティ”のような番組だった。斬新な企画に、ネット上では「意外と楽しめた」という肯定的な声もあれば、「画面がゴチャゴチャして野球が見づらい」という否定的な意見もあった。 今回の企画について、野球ファンからは不満が出て当然だろう。テレビ上の主役は選手ではなく、予想するパネラーたちに見えたからだ。実際、CMに入る前には〈中畑、高橋、赤星、羽鳥、伊沢 最後に残るのは?〉などと大きなテロップで煽っていた。 私も、最初は純粋に野球を楽しみたいと感じた。しかし、日本テレビの立場を考えれば、大胆な企画の敢行はむしろ遅いくらいだったかもしれない。事実として、もう15年以上も地上波のプロ野球中継は視聴率が取れていない。 ここ数年、巨人の開幕戦でなんとか10%に乗る程度で、あとは1ケタが続き、放送自体も年に数試合しかない。昨年は日本シリーズの巨人対ソフトバンクでさえ3戦目まで2ケタに届かず、最終戦となった4戦目でようやく11.8%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。世帯視聴率。以下同)になったほどである。日本テレビは視聴率争いでテレビ朝日と首位を競っているが、巨人戦をナイター中継すると、ゴールデン帯やプライム帯で1位になれない日も目立つ。 通常、テレビ局は数字が低ければ、番組にテコ入れをする。それなのに、野球中継はアナウンサーが実況をして、元選手が解説をするというスタイルを変えていなかった。しかも、地上波とBS、CSが同じ実況、解説の試合も当たり前だった。テレビ界では考えられない“番組”だったのだ。 この日の巨人対阪神戦は副音声では通常のスタイルで中継していたし、CSや動画サイトでも放送されていた。逆に言えば、野球ファンに他の選択肢があるからこそ、大胆な試みを敢行できた。そもそも、たまに地上波で中継をしても、毎試合巨人戦を見ている人はいつも通り、CSなどで視聴するはずだからだ。 地上波のコンテンツとして通用しなくなってきている巨人戦中継を、今までと同じ形で続けても、視聴率アップは見込めない。地上波がCSと差別化するなら、このくらいドラスティックに変えないと意味はないと考えたのだろう。この企画を機に野球中継を見てくれる新規ファンが少しでも増えれば、既存のファンにとっても喜ばしいことではないだろうか。 新しいことをすれば、賛否両論は巻き起こる。少なくとも、日テレは今までにない野球中継に挑戦した。果たして、第2弾はあるだろうか。(文中敬称略)■文/岡野誠:ライター、笑点研究家、松木安太郎研究家。NEWSポストセブン掲載の〈検証 松木安太郎氏「いいボールだ!」は本当にいいボールか?〉(2019年2月)が第26回『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞』デジタル賞を受賞。本人や関係者への取材、膨大な一次資料、視聴率などを用い、丹念な考察をした著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記』(青弓社)が話題に。
2020.08.21 16:00
NEWSポストセブン
野球のない日々に読みたい『プロ野球語辞典』最新版の面白さ
野球のない日々に読みたい『プロ野球語辞典』最新版の面白さ
 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、野球の無い毎日のウサ晴らしができる書籍を紹介する。 * * * 自粛生活。何かが足りないと思ったら野球の無い日常なのだ。野球をやっていない毎日なんてクリープを入れないコーヒーのようだし、自転車のないウーバーイーツのようなものだ。そんな事を嘆く貴方に嬉しいウサ晴らしの一冊。 ひたすら野球がらみの本を書きまくる長谷川晶一が、名バッテリーを組むイラストの佐野文二郎とまた『プロ野球語辞典』(誠文堂新光社)を出したのだ。「また」と言うことは2冊目ということ。この連載のイラストも佐野クン。第2弾にはサブタイトルも生意気に付いていて「令和の怪物現る!編」だとさ。2冊目が出たという事は1冊目もそこそこ売れたのだろう。出版不況、風俗不況の昨日今日、嬉しい話である。「あつお(熱男)」、「稲葉ジャパン」など言葉の説明は勿論のこと、佐野クンの渾身でもない力のぬけたクスクスッという絵も傑作。選手の顔が似ているだけでなく、打つ・投げるなどの身体の動きがなめらかで、その動作までが似ているのだ。ものまねの名人と同じ筋肉を使うのだろう。プロ野球ファンには、たまらない仕上がりになっている。 そう言えば1か月位前、泣きそうな声で「2日で300点イラスト仕上げるンすよ。もう死にます。コロナで生き残ってイラストで終わるってのも情けないですかネ」と言ってたっけ。 長谷川クンの面白い解説以外に様々趣向をこらしたコラムのようなものも面白く、例えば「忘れじの名言&迷言&珍言集」もあって、「ボールが止まって見える」(川上哲治)、「乱闘は教育上よくないって言うけど、これプロ野球だから。教育じゃないから」(東尾修)その通り。良い事言ってたネ。「打たれん方法? それは投げんことやろね」(山本和行)豪快な昭和編。 別のページには平成編があって「守らせたら天下一品。でも守るだけで攻めないから自衛隊だな」(野村克也)。「野球というスポーツのすばらしさを子どもたちに伝えていきたい。そのためにも、大きなホームランを打ちたいんです」(松井秀喜)。「選手のニックネームあれこれ」なんてページもあって「ヘソ伝」(山田伝)って古いねぇ。「ザトペック投法」(村山実)、「カミソリシュート」(平松政次)、「ライオン丸」(シピン)、「ヤッターマン」(中畑清)、「おかわり君」(中村剛也)、など嬉しい名前が次々。 プロ野球のない日々、これ1冊で1か月は投げ切れる。 私もなにか、辞典でも作ろうかな。■イラスト/佐野文二郎※週刊ポスト2020年6月5日号
2020.05.22 16:00
週刊ポスト
ファンは忘れない 阪神低迷期を支えたマット・キーオ氏の功績
ファンは忘れない 阪神低迷期を支えたマット・キーオ氏の功績
 5月1日(日本時間2日)、アメリカ大リーグのオークランド・アスレチックスが球団公式ホームページで、元阪神タイガースのマット・キーオ氏が死去したと発表した。64歳だった。阪神にとって、キーオ氏とはどんな投手だったのか。ライターの岡野誠氏が綴る。(文中敬称略) * * *〈いまや、阪神の最下位はニュースではないかもしれない〉(平成2年12月31日・日刊スポーツ) 昭和60年の日本一は幻だったのか――。21年ぶりの歓喜から2年後、阪神はセ・リーグ最下位に転落。昭和63年は球団史上初の2年連続最下位に終わり、その後も5位、6位と4年連続Bクラスに沈んでしまう。ファンが絶望の淵に立たされていた時代、獅子奮迅の活躍を見せていたのがマット・キーオである。 大リーグ通算58勝の実績を引っ提げ、昭和62年に入団。父親のマーティ・キーオは昭和43年に南海で一塁手としてプレーしており、日本球界初の親子2代の助っ人外国人となった。日本で過ごしていたキーオは、来日記者会見で「知っている日本語は?」と問われると、「ドン・ガバチョ!」と返答。テレビ人形劇『ひょっこりひょうたん島』(NHK)の大ファンだったのだ。 父と同じ背番号4を付けたキーオは外国人投手初の“入団1年目で開幕投手”に抜擢される。そのヤクルト戦では初回に若松勉にソロホーマーを打たれるなど、7回途中5失点で敗戦投手となったが、2度目の先発では大洋に10安打を浴びるも、2失点完投で来日初勝利を飾った。 球団史上最低のチーム勝率3割3分1厘に終わった同年、キーオは頼みの綱だった。5月3日に8連敗を止めたのを皮切りに、6度も連敗ストッパーに。7月、阪神は3勝12敗と散々な成績だったが、その勝ち星は全てキーオだった。チーム唯一の2ケタである11勝を挙げ、各球団の主軸打者との対戦成績を見ても、首位打者の篠塚利夫(巨人)は13打数2安打、正田耕三(広島)は11打数2安打、本塁打王のリチャード・ランス(広島)は9打数1安打、打点王のカルロス・ポンセ(大洋)は21打数5安打と、タイトルホルダーを苦しめた。 監督が吉田義男から村山実に代わった翌年も、キーオは孤軍奮闘する。4月14日の巨人戦(甲子園)で新体制の初勝利を完投で飾り、村山監督の涙を誘った。この年もチームで唯一の2ケタ勝利(12勝12敗)を記録し、防御率2.76と抜群の安定感を誇った。規定投球回数を投げた18人のうち、敬遠なしはキーオだけ。各チームの主軸に立ち向かい、落合博満(中日)は11打数2安打、中畑清(巨人)は19打数1安打と見事に抑えている。 来日3年目の平成元年には、8月4日の大洋戦で84球の無四球完投勝利を挙げるなど15勝(9敗)8完投、4無四球試合という数字を残して斎藤雅樹(巨人)、西本聖(中日)、桑田真澄(巨人)、阿波野秀幸(近鉄)、渡辺久信(西武)、星野伸之(オリックス)、西崎幸広(日本ハム)とともに沢村賞候補にリストアップされた。結果的に、20勝(6敗)21完投の斎藤が受賞したが、Bクラスに沈んだチームで数少ない明るい話題となった。◆シーズン12安打のうち半分以上が長打 打撃の良さも、キーオの特徴だった。2年目の昭和63年には、4月26日の大洋戦(甲子園)で2回に遠藤一彦から先制3ラン、5月22日の巨人戦(東京ドーム)でも2回に加藤初から先制タイムリーを放ち、ともに勝利打点を記録した。 3年目はシーズン12安打のうち、二塁打4、三塁打2、本塁打1と半分以上が長打であり、打点10を叩き出している。年間2本の三塁打は、バッティングも冴えた金田正一(国鉄→巨人)、米田哲也(阪急→阪神→近鉄)、堀内恒夫(巨人)、平松政次(大洋)、松岡弘(ヤクルト)、江川卓、西本聖、斎藤雅樹、桑田真澄(以上、巨人)も達成していない。 キーオは4年目にも6月6日の中日戦で三塁打を放ち、日本球界4年で3本を数えた。過去20年、阪神の投手で三塁打を打ったのは平成14年5月31日のトレイ・ムーア、平成21年10月4日、平成27年5月5日の岩田稔、平成28年4月12日の藤浪晋太郎の4例しかない。 3年目オフに2年契約を結んだキーオだったが、4年目の平成2年は序盤から波に乗れず、7勝9敗、防御率5.00と成績が落ち込み、球団は解雇を選択した。〈キーオとは今年1月に2年契約を結んでおり、残留の場合には来季150万ドル(約2億1000万円)の年俸を払う必要があるが、バイアウト(契約買い上げ)なら50万ドル(約7000万円)を払って解雇することができる〉(平成2年9月25日・日刊スポーツ) キーオは9月22日のヤクルト戦で勝利投手になると「タイガースが好きだし、来年も投げたい」と話し、大阪空港から日本を離れる際にも“日本球団への売り込みメッセージ”を報道陣に残した。しかし、願いは叶わなかった。1990年代前半、外国人選手の1軍登録は2人まで。現在のように4人まで認められていれば、状況は変わっていただろう。 阪神が18年ぶりに優勝した平成15年、“キーオ以来”の文字がスポーツ紙に踊った。ムーアが外国人投手で2年連続2ケタ勝利、井川慶が15勝(最終的に20勝)を挙げたからだ。阪神時代に美酒は味わえなかったが、のちにチームが優勝したことで、暗黒時代に踏ん張っていたエースにスポットが当たったのだ。 4年間で挙げた45勝のうち、24勝が連敗ストップの試合──。阪神ファンは、低迷期を支えたマット・キーオを決して忘れないだろう。■文/岡野誠:ライター。著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の巻末資料では田原の1982年、1988年の全出演番組(計534本)を視聴率やテレビ欄の文言などのほか、『ザ・ベストテン』の緻密なデータも掲載。NEWSポストセブン掲載の〈検証 松木安太郎氏「いいボールだ!」は本当にいいボールか?〉(2019年2月)が第26回『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞』デジタル賞を受賞。
2020.05.05 16:00
NEWSポストセブン
プロ野球開幕延期で超売れっ子以外の解説者の生活が困窮か
プロ野球開幕延期で超売れっ子以外の解説者の生活が困窮か
 新型コロナウイルスの影響で軒並み中止となっているスポーツ中継だが、とりわけプロ野球関係者が大打撃を受けている。プロ野球は当初3月20日の開幕を4月24日に変更したが、これも白紙に。場合によっては7月開幕もあり得る。「球場で試合を撮影するカメラマンはほとんどが制作会社やプロダクションから派遣されているため、今は仕事がゼロ。自宅待機が続いています。発注元のプロダクションもほとんどが零細だから、補償は微々たるもの。通常は年収400万~500万円くらいですが、今年は大幅な収入減になるでしょう」(キー局スポーツ番組スタッフ) プロ野球OBの解説者たちも厳しい状況に置かれている。「景気のいい時代はテレビ局と年間契約を結んでいたが、今は単発仕事がほとんどで、テレビ中継の解説1本あたり5万~10万円のギャラで生活している。新型コロナの影響でそれもなくなった。もちろん何の補償もないから、無収入が続いていて、先の見通しも立ちません」(ある野球解説者) 野球解説者は現役時の実績、知名度、解説の面白さなどで特A、A、B、Cランクに分かれており、ランクによって地上波、BS、CSのどこで解説するかが決まっているという。「一番厳しいのがうちらのようなB、Cランク。試合数が減れば、その分解説オファーも減る。この世界、引く手数多なのは江本孟紀さん(72)や中畑清さん(66)、古田敦也さん(54)らほんのひと握り。ほとんどの解説者は野球教室や講演の仕事もキャンセルが相次いで、生活が困窮している。周りには知り合いのツテを辿って別の就職口を探している人もいます」(同前) テレビという華やかな世界にもコロナは深い影を落としている。※週刊ポスト2020年4月24日号
2020.04.16 07:00
週刊ポスト
野村監督との思い出を門田博光氏が振り返る
野村克也さん 45歳からの読書で進化した“言葉の力”
 2月11日に野村克也さんが84歳で逝去して以降、テレビ各局は特別番組を組み、ニュース番組の中で特集するなどして野村さんの功績を振り返り、故人を偲んでいる。出版界でも追悼本の発売や著作の復刊が予定されており、あらためて野球人としての偉大さがクローズアップされている。野球担当記者が話す。「名選手が亡くなると、翌日にはスポーツ紙が大々的に取り上げますが、その後も特番が何度も放送されたり、本が何册も発売されたりすることは珍しい。野村さんが野球界に残した足跡が大きかった証拠でしょう」(以下同) 野村さんは1954年、南海に入団。1965年に戦後初の三冠王に輝き、1970年から1977年までは選手兼任監督としてプレー。1973年には『4番・捕手兼監督』として打率3割9厘、28本塁打、96打点を挙げ、チームを優勝に導いた。「入団した頃はテレビも普及しておらず、1960年代前半には各家庭に行き届くようになったが、パ・リーグの試合はスポーツニュースでも結果を伝える程度。全盛期の映像はあまり残っていない。それでも、テレビが特集を組めるのは1990年代にヤクルトの監督として黄金期を築いたことに加え、“言葉の力”が大きかったからでしょう」 1980年に西武で現役を終えた野村さんはTBSやテレビ朝日の解説者を務め、1990年からヤクルトの監督に就任。45歳で引退した後、政治経済や中国の古典など幅広い分野の本を読み漁ったことで、“言葉”を獲得していったと著書などで述べている。「野球というスポーツはプレーで観客を魅了するものですが、メディアを通じて発信する言葉にファンが動かされる面も大いにある。野球を通じた人生訓などもそうですし、単純に言っていることが面白いという側面もあった。しかも、50代のヤクルト監督、60代の阪神監督、70代の楽天監督と、年を取れば取るほど、面白さも増していった。何歳になっても人は勉強すれば、進化できると身をもって証明していたからこそ、ファンが付いてきたのではないでしょうか」 楽天監督時代には『マー君、神の子、不思議な子』『バッカじゃなかろうか~、ルンバ』『ノムニーニョ現象』などの名言を生み、テレビのスポーツニュースでは毎晩のように試合後のボヤキ会見が流れた。「野村さんは見出しになる言葉をわかっていた。『マー君、神の子、不思議な子』は短くて、そのまま使える。記者にとって本当に有難いことなんです。最近はそういう監督がいないですね。巨人の原辰徳監督は会見拒否こそしないですが、質問をなぞるような実質的に何も答えていないようなコメントも多いですし、こちらが意味を解釈するのに苦労することもある。そういう意味では、DeNAの中畑清前監督はサービス精神旺盛でネタに事欠かず、とても助かりました。ただ、しゃべりが間延びしがちで、見出しになるような言葉はあまりなかった」 2000年代後半、巨人戦の地上波中継が激減し、スポーツニュースで野球が取り上げられる時間も減っていた。それでも、野村さんのボヤキは欠かせないコンテンツとして人気を集めた。「野球人気はプレーだけじゃなくて、監督や選手の発する言葉からも得られる。最近は語れる野球人がほとんどいない。解説者の中に、野村さんのようにしゃべりで魅了できる人間が果たしているのか。野村さんは45歳から本格的に読書を始めて、話術に磨きをかけたわけですから、努力次第で何とかなるはずです」 球界にしゃべりでファンを惹き付ける“ノムラ2世”の誕生を待ちたい。
2020.02.20 07:00
NEWSポストセブン
巨人の異変 東京ドーム食堂へのOBの出入り禁止に
巨人の異変 東京ドーム食堂へのOBの出入り禁止に
 5年ぶりのリーグ優勝を果たすも日本シリーズではソフトバンクを相手に無残な4連敗に終わった原巨人。課題は数多いが、違った視点から巨人の問題を指摘するのは、V9時代前半のエース・中村稔氏(81)だ。 中村氏は「今の巨人はOBの意見に耳を傾けない空気がある」と言う。「東京ドームに視察に行った時、食堂でメシを食っていたら、副代表が来て“今年からここにはOBの方は入れなくなったんです”と頭を下げてきた。以前はこの食堂で、私が気づいた現役選手の異変を本人に伝えていたのに、それができなくなった。 メルセデス(25)の膝が割れることや、菅野のフォロースルーが足りないこと、宮國(椋丞、27)の投球フォームのバランスなど、今シーズンは指摘できなかった修正点があった。OBの声が届かないもどかしさはありますね」 今の巨人に対して、1980年代の巨人打線の中軸を担った“絶好調男”の中畑清氏(65)は「もっと闘争心を剥き出しにしろ!」と激励する。「戦う魂は巨人にもソフトバンクにもあると思うんだよ。だけど、球際の最後の詰めだったり、最後まで最善を尽くすゲームに臨むという、その必死さ、きめ細やかさに差があったんじゃないか。力のある選手がそれをやれば、絶対に負けることはないよな。 今の巨人に必要なのは、下積み、準備、とことん鍛え抜く姿勢。そういう精神力の強さを持ってグラウンドに立つ。その準備をしっかりやって、来季に挑戦してもらいたいね」※週刊ポスト2019年11月22日号
2019.11.16 07:00
週刊ポスト

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