ライフ

知られざるご当地ラーメン 新潟や山形5大ラーメン他釜石も

『中華そば JAC』の「中華そば」700円

 昨今のラーメン界を見渡すと、「超こってり系ブーム」「鶏白湯ブーム」など流行の一方で、根強く人気なのが「ご当地ラーメン」だ。

 B級グルメブームが人気を後押しし、神奈川にある新横浜ラーメン博物館を中心に、全国津々浦々の知られざる逸品の発掘がなされている。ラーメン評論家の大崎裕史氏はこの説明する。

「札幌の味噌、福岡の豚骨など、大きな単位でのご当地ラーメンは紹介し尽くされ、ご当地の単位が『県』ではなく『市』、そしてさらには『町村』レベルまで小さくなってきています。そういう小さな範囲に存在するご当地ラーメンで美味しいものはまだまだあります」

 たとえば、豚バラ肉と野菜を炒め煮にしたピリ辛スープの奈良・天理の「天理スタミナラーメン」(略して天スタ)である。レバーやホルモン、かぼちゃなどが入ったあんかけの「水戸」、にら、挽肉、にんにく、生姜、豆板醤を組み合わせたピリ辛あんかけの「浦和」と並ぶ“日本三大スタミナラーメン”の一角で、都内で最も熾烈な争いを繰りひげているといわれる、ラーメン激戦区の高田馬場で奮闘している。

 あるいは、鳥取で創業50年以上の歴史を誇る牛骨ラーメンは、都内だと銀座と高田馬場(『香味徳』)で食べられる。

「それ以外にも進化した徳島ラーメンの高円寺『JAC』、函館ラーメンの八幡山『五稜郭』など、単独で頑張っている店はちらほらあります。個人的には大分県佐伯市のご当地ラーメン・佐伯ラーメンに出てきてほしいですね。豚骨醤油ににんにくとコショウを強烈に効かせたスープですが、バランスが絶妙なんですよ」(大崎氏)

 まだまだ“知られざる”ご当地ラーメンは多い。新潟には「長岡生姜醤油」「新潟あっさり」「新潟濃厚味噌」「燕三条背脂」「三条カレー」の五大ラーメンがあり、山形にも「米沢」「赤湯」「山形」「新庄」「酒田」という個性の異なるラーメンが存在している。

「岩手の釜石ラーメンも極細縮れ麺と琥珀色に透き通った醤油味のあっさりスープが調和して旨いんですよ。今後は東北の隠れたご当地ラーメンを発掘して、東京の駒沢オリンピック公園で毎年開催しているイベント“東京ラーメンショー”などで紹介し、復興の一助にできればいいな、と思っています」(大崎氏)

※週刊ポスト2014年2月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン