そもそも安倍は「女性宮家」の創設を望む陛下の意向を無視している。皇位継承は何が何でも男系でなければならないという男系固執派に配慮しているからだ。
『AERA』2月3日号に、皇位継承についてこんな記事が載っていた。
〈「次の世代のことは次の世代が解決されてはいかがでしょう」。あるとき、側近がこう進言したことがあった。だが、天皇陛下は「そうはいかない」と答えたという〉
陛下のそこまでの覚悟を知りながら、安倍は「皇統の継承は男系でつないでいくと皇室典範に書いてあり、女性宮家はそういう役割を担うことができない」と言い、まともに取り合おうとしない。
つまり安倍と安倍シンパは、「天皇なきナショナリズム」の者たちである。
だが、靖国神社に祀られる英霊たちは、天皇のため、あるいは郷土(クニ)のために戦って死んでいったのだ。天皇もパトリもないナショナリズムなど、ただの自己慰撫ナルシシズムでしかないではないか。
わしはもはや、安倍のように靖国参拝さえすれば保守であり愛国者だという考えに与するつもりはない。
※週刊ポスト2014年2月14日号