とはいえ、バブル期の赤とは、異なる点もあるという。
「赤と言っても目立つための赤ではなく、健康的な赤、血色のよい赤が好まれています。だから塗り方も、ばっちりではなく、ラフに、たとえばグロスを少し唇におく程度にする。バブル時代は、口紅に限らずファッション全体に、男性に対抗する、あるいは逆に男性に媚びるといった傾向が見受けられました。時代が変わり、現在の女性は肩の力が抜けています。ファッションも、女性らしさを楽しむこと、ヘルシーであることが大事。口紅にもそうした意識は反映されていると思います」(前出・吉野氏)
ファッションの流行はめぐるもの。だが時代の空気が反映されることは間違いないようだ。