ビジネス

クレーマー常習者 異物混入指摘するも「詫びの一言もない」

 企業のクレーム処理の現場では、「安易に謝罪すべきでない」と考える人も少なくない。謝ると落ち度を認めたことになる、というのがその言い分だが、実際にトラブルが起きた際、詫びの一言がなかっただけで、さらに大きなトラブルに発展するケースもある。ではクレーマーは、何をどう考えてクレームしているのか、新刊『理不尽な人に克つ方法』(小学館新書)を上梓したばかりの元刑事でクレーム対応のプロである援川聡(えんかわ・さとる)氏が解説する。

 * * *
 クレーム常習者に話を聞いたことがあるのですが、彼はこんな面白い言い方をしていました。

「料理に異物が混入していたので指摘すると、『あっ』と言うだけでお詫びのひと言もない飲食店は結構多いんですよ。こっちは気をつかって小さな声で言ったのに、あっちは無神経。『申し訳ありません』と丁寧に対応してくれたら、そこで終わる話なのに、そうならないんですよ。

 調理にせよ、配膳にせよ、人間のやることなのでミスはしかたがないと思ってるんです。その代わり、そのあとの対応がお粗末だとこっちもね。そうなったらガンガンいきます。でも、こっちが怒鳴ったとたん、向こうは急に丁寧な対応をしてくる。それも余計に腹が立つんですよ」

 本人も言っているとおり、こうした類いのクレームは、「申し訳ありません。すぐに商品をお取り替えいたします」とスピーディに対応すれば、たいてい収束に向かうんです。クレーマー=ホワイト・モンスターの多くは、はじめから悪意があるわけではなく、一時の興奮で怒りを暴発させてしまっているだけなのですから。

 私たちの周囲にあるトラブルの大半は、「謝って済む問題」です。だったら、謝って済ませてしまえばいいのです。

※援川聡・著/『理不尽な人に克つ方法』(小学館新書)より

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン