不倫の「証拠」にも強弱がある(イメージ)
平穏な日常生活が一変することもある、パートナーによる「浮気」。思いがけず当事者になってしまった際には、信頼していたパートナーに裏切られた絶望感に打ちのめされ、強い怒りや悲しみが湧いてくるだろう。
法的な場面において浮気や不倫は「不貞行為」とされ、その定義は「配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと」。つまり性交渉をしたかどうかが争点になる。そしていざというとき、“それ”をどう立証するのか──。
浮気の調査を生業として15年、これまで手掛けた浮気案件は1000件を超えるという探偵・小沢氏が解説する“弱い証拠”と“強い証拠”とは。小沢氏の著書『事件はラブホで起きている』(二見書房)から一部抜粋して再構成。【全2回の第1回】
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浮気の証拠には「強い」「弱い」という概念が存在する
証拠を使う相手が同じ「配偶者」であっても、「離婚するため」に使う場合と、「夫婦関係の再構築を目指すため」に使う場合とでは、証拠の使い方がまったく異なる。「浮気相手」に対して使うケースでも、弁護士を通して正式な慰謝料請求をする場合と、直接会いに行って示談交渉をする場合とでは、証拠の活かし方がまるで違う。
つまり、目的によって必要な証拠が変わってくるということだ。
さて、ここでメチャクチャ重要となる概念についても触れておきたい。
便宜上「必要な証拠が変わってくる」と書いたけど、正確にいえば「求められる証拠の強さが変わってくる」という意味。つまり、浮気の証拠には「強い」「弱い」という概念が存在するということ。
例えば、まずは次のような浮気の証拠を見てほしい。
・異性とのLINEでの親密なやり取り
・異性との頻繁な通話履歴
・異性からの手紙や贈り物
・異性と手をつないでいる写真
・異性とキスをしている写真
・ラブホテルや旅館の宿泊レシート
・身に覚えのない避妊具や大人のおもちゃの購入履歴
ここでちょっと想像してみてほしい。
もし、あなたに配偶者がいるとして、これらの証拠を見つけてしまったら? あなたは配偶者が「浮気をしている」と思うだろうか? または「浮気はしていない」と思うだろうか?
では、これらの証拠をもとに、弁護士を通じて配偶者に慰謝料請求ができるか──結論をいえば、正直微妙だ。なぜなら、これらの証拠は「弱い」からだ。
「は? なんで弱いの? 常識的に考えて、これもう完全にデキてますやん」
おそらく誰もがそう思うだろう。だけど、これらの証拠であっても、出るところに出て戦った場合、割と泥沼化するケースがほとんど。なぜなら、民法上の不貞行為は「セックスの有無」で判断されるため、決定的な証拠の提出が求められるからだ。