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キリンビールのカエルCM クレームで自粛は判断ミスと識者

 ドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)や村上春樹さん(65才)の小説『ドライブ・マイ・カー』で、「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」と火のついたたばこのポイ捨てに関する記述をしたところ、同町の町議からクレームがつき、単行本では別の町名にする意向を村上さんが明らかにした。

 このように、クレームとそれによる自粛が相次いでいる。さらに、「かわいらしさ」がクレームの対象になるケースも現れた。カエルのキャラクターと俳優の大沢たかお(45才)がこんな会話を繰り広げる缶チューハイ『キリン本搾り』のCMを覚えているだろうか。

カエル:「大事なのはひっくりかえること」

大沢:「ひっくりかえる?」

カエル:「一度ひっくりかえればわかるよ、たかお」

 このCMの放映を、キリンビールは取りやめた。カエルがかわいすぎて、「未成年の飲酒を誘発しかねない」という趣旨の抗議を受けたからだ。

「アルコール問題を扱う団体からお声をいただきました。ご指摘を真摯に受け止め、特にその声の多い少ないに関係なく、放送中止を決めました」(キリンビール広報)

 全日空も、お笑い芸人のバカリズム(38才)が付け鼻・金髪姿で、3月から羽田空港発着の国際線が増えることをアピールするCMを放送したが、それが「外国人をステレオタイプに見ている」と批判を受けた。現在は、金髪・付け鼻のないバージョンを放送。

「日本人もこれからもっと海外で活躍し、世界に必要とされるようになっていこう、という意図で本CMを作成しましたが、当社の意図と異なるご意見を頂戴したことについては真摯に受け止めております」(ANA広報部)

 奇しくも同じ1月に「CM自粛」した両社だが、そこには大きな違いがあると指摘するのは評論家の酒井信さんだ。

「キリンビールについては、なぜこんなことで? と感じました。口に入れる飲み物のCMなので風評を大事にするのはわかりますが、自粛の決定は企業の判断ミスだと思いますね。この騒動をきっかけに、カエルのキャラクターを売り込むぐらいの戦略があってもよかったと思います。

 全日空の場合は広告の内容が時代遅れだと思います。羽田空港では、欧米以外にも、マニラやジャカルタなどアジア路線の発着枠も増えるわけで、白人の真似以外にも、アジアの外国人の真似をしてもよかったはずです。日本人のイメージを変えることが『白人になること』という考えが古すぎますね」

※女性セブン2014年2月27日号

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