ビジネス

1000年超存続する超長寿企業がダントツで日本に多い理由解説

世界最古の旅館・西山温泉「慶雲館」

 創業200年を超える企業は、なんと3000以上。世界髄一の老舗大国である日本は、同時に世界一の「温泉大国」でもある。中でも1300年の歴史を誇る癒しの湯が兵庫、石川、山梨にある。時代を超えて日本人をもてなしてきた「千年旅館」について、ノンフィクション作家・野村進氏が解説する。

 * * *
 日本は世界一の“温泉大国”である。温泉の質、量や施設の充実ぶりはもちろん、幅広い階層の国民が、昔からこれほど温泉に親しんできた国はほかにない。

 ヨーロッパの温泉は、長らく貴族・支配階層の占有物であった。庶民が温泉を楽しめるようになったのは、意外にも19世紀以降のことなのである。アジアでも台湾や中国の温泉が最近にぎわいを見せているが、いずれも日本文化の影響が色濃い。

 日本はまた、世界一の“老舗大国”でもある。世界最古の企業として知られる大阪の建設会社・金剛組は、古墳時代末の西暦578年の創業で、なんとムハンマドがイスラム教を開いた年よりも前から続いている。

 200年以上存続する企業の数は、韓国0、中国9、インド3に対して、日本は実に3000以上。次点はドイツの約800だから、ダントツの1位である。さらに、1000年以上の“超”長寿企業も、ベストテンのほとんどを日本の会社が占めている。老舗は、この極東の島国に集中しているのである。

 つまり、日本は世界一の温泉大国にして、老舗大国なのだ。それを象徴するのが、業歴1300年余を誇り、世界最古の旅館としてギネスブックにも認定された山梨県・西山温泉の慶雲館である。52代目の当主・深澤雄二社長は、こう語る。

「いまにして思いますと、とにかく立地条件がよかった。私も若いころは、こんな辺鄙な山奥にどうして、と思ったこともありますが、ここには戦乱も及ばなければ、外からの資本も入ってきません。すばらしい自然環境もずっと保たれていて、いまでは得がたい立地条件だなと感じるようになりました」

関連記事

トピックス

“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
ジャンボな夢を叶えた西郷真央(時事通信フォト)
【米メジャー大会制覇】女子ゴルフ・西郷真央“イップス”に苦しんだ絶不調期を救った「師匠・ジャンボ尾崎の言葉」
週刊ポスト
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン