ライフ

知人に1840万円貸して出した結論 「浅い人間関係心がけろ」

 人間関係をギスギスさせる要因のひとつとなるのが、知人同士のカネの貸し借りだ。もちろんお金を借りる側は、貸してくれる側に対して感謝の気持ちを持つだろうが、お金を貸す側はどんな心境になるのか。ネットニュース編集者・中川淳一郎氏は、過去にトータルで1840万円のカネを人に貸して、戻ってきたのは1020万円だったという。新刊『縁の切り方~絆と孤独を考える~』(小学館新書)を上梓したばかりの中川氏が、自身の体験をもとに、借金が生み出す人間関係のゆらぎについて解説する。

 * * *
 普段の仲が良い故に、なんとしても助けたいと思う気持ちに頼ってくる(つけこんでくる)のが借金の正体である。そして、奇妙なことに助けてやる側が助けることを躊躇すると、途端に自分が人でなしなのではと思ってしまうものなのだ。返済を催促することも人でなしの行為だと思ってしまう。

 カネを貸している期間、たとえば1人1万円の焼き肉を普段から仕事をしてもらっている学生5人にご馳走したとしよう。けっこうな散財ではあるが、こちらが払わざるを得ない。

 すると、「あの時貸した100万円、まだ返ってきていないけど、あのカネがあったら、この学生どもにもっと気持ちよく奢ってあげられたんだろうな。何せそれでも95万円残っているし……。もしかしたら100万円返ってこないかもしれないから、これから彼らにご馳走する時は、予算5000円の鍋料理くらいにするかな……」なんてみみっちいことを考えてしまう。スーパーで買い物をしていて「30%引き」の刺身を選ぼうか迷っている時なども、「あの100万円があれば、ここで悩むことはないのに……」と借金が頭から離れない。

 カネが返ってくるまでの間、それまでは親友だった人間に対して疑心暗鬼の心を抱くようになる。SNSで彼が「寿司食べた!」なんて書いていたら「その分の1万円でいいから、サッサと返せ」なんて思う。借りている側としても、返していない限り、私には会いづらくなる。そして、少しの贅沢であっても、SNSに書くことは憚られるし、自身がレジャーに行ったことを、同行者には口止めするようになる。

 カネの貸し借りが発生すると、互いの関係はギクシャクするようになる。それは、返済されるまで続き、踏み倒した場合は間違いなく関係が終わる。ただし、評判が落ちるのは借りた側だけであり、貸した側の評判は「お人よしなバカ」程度の扱いは受けるかもしれないが、落ちることはない。友人同士のカネの貸し借りだから利子を取るわけでもないため、カネを貸す側にとってこれくらいしか慰みはない。

トピックス

米倉涼子(時事通信フォト)
「何か大変なことが起きているのでは…」米倉涼子、違約金の可能性を承知で自らアンバサダー就任のキャンセルを申し出か…関係者に広がる不安がる声
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された天皇皇后両陛下(2025年10月6日、撮影/JMPA)
《2回目の万博で魅せた》皇后雅子さまの気品を感じさせるロイヤルブルーコーデ ホワイトと組み合わせて重厚感を軽減
群馬県前橋市の小川晶市長(共同通信社)
「ドデカいタケノコを満面の笑顔で抱えて」「両手に立派な赤ダイコン」前橋・小川晶市長の農産物への“並々ならぬ愛”《父親が農民運動のリーダー》
NEWSポストセブン
萩生田光一元政調会長が幹事長代行へ起用(時事通信フォト)
《SNSで非難轟々》“裏金議員”萩生田光一氏が党執行部入りの背景 永田町関係者が明かす“総裁選での暗闘”と「香水がとてもいい香り」の珍評価
NEWSポストセブン
巨人の阿部慎之助監督(左)とDeNAの三浦大輔監督
セ2位DeNA・三浦監督は勇退で3位巨人・阿部監督は続投でいいのか? 御意見番・広岡達朗氏は「三浦は偉い」「阿部は三浦が辞めた意味すらわかっていないんじゃないか」
週刊ポスト
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(共同通信)
《やる気スイッチ講師がわいせつ再逮捕》元同僚が証言、石田親一容疑者が10年前から見せていた“事件の兆候”「お気に入りの女子生徒と連絡先を交換」「担当は女子ばかり」
NEWSポストセブン
“ATSUSHIものまね芸人”として活動するRYO
【渦中のRYOを直撃】「売名じゃない」橋幸夫さん通夜参列で炎上の“ATSUSHIものまね芸人”が明かした「反省」と「今後」…「100:0で僕が悪者になっている」との弁も
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月7日、撮影/JMPA)
《再販後完売》佳子さま、ブラジルで着用された5万9400円ワンピをお召しに エレガントな絵柄に優しいカラーで”交流”にぴったりな一着
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷が“即帰宅”した理由とは
《ベイビーを連れて観戦》「同僚も驚く即帰宅」真美子さんが奥様会の“お祝い写真”に映らなかった理由…大谷翔平が見計らう“愛娘お披露目のタイミング”
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《山瀬まみが7ヶ月間のリハビリ生活》休養前に目撃した“スタッフに荷物を手伝われるホッソリ姿”…がん手術後に脳梗塞発症でICUに
NEWSポストセブン
歴史ある慶應ボート部が無期限で活動休止になったことがわかった(右・Instagramより)
《慶應体育会ボート部が無期限活動休止に》部員に浮上した性行為盗撮疑惑、ヘッドフォン盗難、居酒屋で泥酔大暴れも… ボート部関係者は「風紀は乱れに乱れていた」と証言
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン