中国の都市部では近年急激に晩婚化が進んでおり、上海市の平均初婚年齢は男性34歳、女性32歳にまで上がっている。高学歴のホワイトカラーほど未婚率が高く、未婚のままアラサーを迎えた男女は「剰男(シェンナン)」「剰女(シェンニュイ)」と呼ばれ、一種の社会現象となっている。
一人っ子政策の影響もあり、未婚のアラサーに対する親や世間からのプレッシャーは日本より遥かに大きく、旧正月の帰郷シーズンには、レンタル彼氏や彼女を雇って親や親戚に婚約者がいるフリをする者すら現れる。こうしたなか、結婚を焦る男女をターゲットにした商売は盛況を続けており、ネット上の婚活ビジネスの市場規模は14.5億元(約260億円)に達している。
中国で男性は働き盛りの40代くらいまで結婚対象と見なされるが、女性はアラサーを過ぎると日本以上に”市場価値”が大暴落する。値崩れを起こす前に相手を探そうと躍起になり、婚活の現場では女性よりも男性優位の状況ができている。
■文・西谷格(在中国ジャーナリスト)
※SAPIO2015年1月号