震災後の人口流出が止まらない宮城県女川町では、42歳の須田善明・町長が将来世代の負担を減らすために、高齢者を説得してインフラを大幅に縮小し、再建を図っている。
北海道夕張市も「別の道」を選んだ。炭鉱廃止後の無謀な観光開発で市の財政は破綻し、人口は激減、いまや65歳以上が住民の46%を占める。
「課題先進地域」と呼ばれるこの都市では、33歳の鈴木直道・市長を先頭に、地域再生に取り組んでいる。市長の月給は手取り19万円、役所の職員の数も給料も半減させ、資金もマンパワーも限られた中で、公営住宅を集約するなど人口減少社会に対応させて財政赤字を減らし、病院がないから高齢者は健康づくりに励んで医療費も大きく減らした。
困難に直面した若い政治家が進んでいるのは、賃上げ幻想を振りまくだけのアベノミクスとは違う厳しい道だ。それでも夕張市の青年会議所理事長に23歳で就任した橋場明日香氏は「鈴木市長には期待する。自分の信念を貫いてもらいたい」とアベノミクスへの不信とは対照的な意見を口にした。若い世代は「アベノ解散」にはそっぽを向いたが、本当に日本の厳しさと未来に目を向ける者の下には集まってくる。
35歳の社会起業家として注目される病児保育のNPO法人フローレンス代表の駒崎弘樹氏が語る。
「人口減少で社会が縮んでいくこの国で、増税や社会保障給付削減等の痛みなくして、財政の持続可能性なんてあり得ない。小泉進次郎氏は若者の思いをわかっていて、痛みなき改革などない、痛みを感じながらわれわれでやっていこうとはっきりメッセージを送っている。そこが期待できる」
※週刊ポスト2015年1月1・9日号