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採算度外視の整備新幹線 安倍政権になって一気に建設が加速

 安倍晋三首相は選挙に勝つと、国民に次から次へと負担増を押し付ける。社会保障の給付金を中止し、相続税など増税ラッシュが続く。

 政府が1月14日に閣議決定する予定の2015年度予算案は98兆円規模になるとみられている。自民党内にはいまや安倍首相に逆らう声はなく、野党にもその力はない。巨大予算は与野党の機能不全でチェックを受けず、無駄が垂れ流される。

 安倍首相は早速、建設中の整備新幹線3ルート(北海道、北陸、九州)の大幅な完成前倒しから手を付けた。背後には首相を操るシロアリたちと地元の利権を貪る政治家がいる。

「開業前倒しには5400億円の資金が必要になる。財務省は慎重だったが、わが省は官邸を味方につけた。ここで予算を投じて工期を早めることが景気回復、地方創生につながると省を挙げて官邸にプッシュし、ゴーサインを出させた」(国交省キャリア)

 整備新幹線は「昭和の三大バカ査定」のひとつで、かつて推進役だった自民党幹部は「最初はクマしか乗らないかもしれないが、そのうち人が住んで乗るようになる」と言い切った採算度外視の公共事業の代表格。民主党政権時代に一時凍結され、安倍政権になって一気に建設が加速した。

 国交省は北海道の延伸を5年、北陸の延伸を3年前倒しするのが悲願だ。国費投入は年間720億円という財務・国交次官合意があるが、官邸の力をバックに来年度予算で100億円の増額を目指している。

※週刊ポスト2015年1月16・23日号

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