ビジネス

「アリさんマークの引越社」 ミスした社員にカネ請求の実態

 引っ越し業界大手「引越社」のシンボルマークは、2匹のアリが荷物を山積みにした荷車を押す様子を描いたもの。「働き者のアリ」をイメージしているに違いないが、2月9日発売の週刊ポスト(2月20日号)では、同社の従業員が会社の求める「不当な請求」に悲鳴を上げる様子がレポートされている。

「引越社」は1971年に愛知・名古屋市で創業。以来43年間、引っ越しを専業とする経営方針で事業を拡大してきた。全国80支店、従業員約4000人、グループ売上高273億円(2013年度)を誇る。

 モットーは「お客様本位」だ。その裏側で、従業員からは悲鳴が上がっている。同誌に証言した現役社員Aさんによると、約40万円という月給の魅力で入社希望者は絶えないが、会社から借金を背負って辞めていく社員が少なくないという。引っ越しの仕事で発生した損害の賠償費用を社員が引き受けるシステムがあるためだ。損害はチームの“連帯責任”とされ、Aさんはこれまで20万円以上を給料から天引きされているという。

 他にも荷物を積んだトラックの運転中にドライバーが事故を起こすと、会社からの請求金額はケタ違いに増える。元社員のBさんは、バイクに追突する事故を起こし、「被害総額401万3000円」の中から「225万円」の支払いを求められた。納得できずに拒否すると、上司からとりあえず40万円払うように求められ、会社の互助組織「友の会」から融資を受けてそのまま支払っているという。

 友の会から借金をしている社員は少なくなく、Bさんの元同僚の中には、180万円の借金をして会社に払った者もいたという。

 労働問題が専門の笹山尚人弁護士は同誌で以下のように指摘している。

「故意や重大な過失のない通常の業務範囲内で起きた物損事故の損害は、会社が経営上のリスクとして当然負うべきもので、社員に請求するのは不当です。しかも給与天引という強制的な徴収は明らかに労働基準法24条(賃金の支払)に違反しています。仮に重大過失があって社員に賠償義務が生じても、その責を負うのは荷物を壊した本人。同じ現場で働いていた他の作業員から徴収するのは大きな問題です。

 車両事故についても、請求金額が役員の投票で決定されるなど算定根拠が恣意的で曖昧なため、請求自体が無効になる可能性が高いといえます」

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト