一度日本を訪れ、日本を体験すると、多くの中国人が「日本大好き」になるという。『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか? 「ニッポン大好き」の秘密を解く』(中公新書ラクレ)を出版したジャーナリストの中島恵氏が、日本の清潔さに驚いた中国人の言葉をリポートする。
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「成田空港に降りてまずびっくりしたのは、緑豊かな田園風景や立派な家々、上海の郊外とは比べ物にならない自然の多さと、上海ではめったに見られない綺麗な青空です」
2014年に4泊5日の日本ツアーに参加した私の友人の中国人の親戚夫婦は、嬉々とした表情を浮かべて語ったという。
「町にはゴミひとつ落ちていないし、駅や高速道路のサービスエリアのトイレがホテルのトイレのように清潔で、どこにでもトイレットペーパーがある。これが本当にあの日本という国なのか!」と、帰国後数か月間も興奮冷めやらなかった。
このように日本への旅行で日本人の生活を知った中国人は日本を「美しく、成熟した、落ち着いた国」と見ている。
私の富裕層の知人でさえ、「中国はGDPで日本を抜いたというけど、暮らしGDPでは日本は世界ナンバーワン。永遠に追いつけない」という言葉を口にする。
※SAPIO2015年6月号