雨水を溜め込み水量が大幅に増した滝は、梅雨時はいつもと違った表情を見せる。日本三名瀑に数えられる栃木県日光市の華厳の滝も例外ではない。
「上流の中禅寺湖の水位が上がり、水量が2倍近くに増えるため、水しぶきも真夏とは比べようがないほど豪快。雲の合間から太陽がのぞけば、滝に虹がかかることもあります」(日光市観光協会)
霧が立ち込めて見えなくなったら上流にある湯滝や竜頭の滝に行けばいい。地形的に霧に強く、視界を遮られずに絶景が堪能できる。
「日本の滝百選」の1つで、天然記念物にも選ばれた吹割の滝(群馬県沼田市)も豪快な流れを見たいなら7月がチャンスだ。幅が広く轟々と音を立てて水が落ちるその姿は、東洋のナイアガラと呼ばれる。
この季節は川の景色も普段と異なる。和歌山県の熊野川舟下りでは7月、こんな風景が見られる。
「小雨時の舟下りは、川霧がたちこめて幻想的な風景になることがあります。水面から山に霧が上がっていく様子は感動もの。梅雨の間はお客様も多くないため、約90分の舟下りの間、船頭の説明をじっくり楽しんでいただけます」(熊野川川舟センター)
編み笠をかぶり、川面から見上げる世界遺産の熊野古道も情緒深い。
※週刊ポスト2015年7月17・24日号