ライフ

ポエム的な経営理念打ち出す高齢者施設は要注意だと介護職員

「いかにも」な格安老人ホームではなく、外観がきれいで問題なさそうにみえても実は「ブラック介護」だった連続転落死事故が起きた「Sアミーユ川崎幸町」。裏では職員による入居者への虐待も発生していた。

 入居者がそのような目に遭わないために、事前に何を確認すればよいのか。介護職員の労働環境の良し悪しは、その老人ホームを経営している運営会社の経営方針によるところが大きい。それゆえ介護ジャーナリストの小山朝子氏は「運営会社を見極めることが何よりも大切」と話す。

「ホームページの謳い文句を鵜呑みにするのは危険ですし、ネットの口コミもアテにはできません。口コミサイトは広告が絡んでいることもありますから。Sアミーユ川崎幸町も、口コミサイトでの評価はそこそこ高かった。

 それよりも施設の近くのお店とか、タクシーの運転手さんなどの情報を大事にするといいですね。もし地元のタクシー運転手が施設の場所を知らないようなら要注意。その施設に来訪者が少ない、つまり家族や地域住民によるボランティアが出入りしていない閉鎖的な施設だと考えられるでしょう」(小山氏)

 ホームページやパンフレットなどに、大げさな謳い文句を掲げている施設も疑ってみたほうがいいようだ。ある現役介護職員が実態を明かす。

「『入居者の天使のような微笑みが我々の喜びです』とか『我々は100%の献身に何よりも喜びを見出します』とかいうポエムみたいな経営理念を打ち出している施設は気をつけたほうがいい。

 そういう経営者は何か問題があった時に、職員に対して精神論や根性論を振りかざして乗り切ろうとしがちです。逆説的かもしれませんが、パンフレットや事前説明会などで、むしろサバサバしたところのほうが信用できたりする」(同前)

※週刊ポスト2015年10月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
尹錫悦前大統領(左)の夫人・金建希氏に贈賄疑惑(時事通信フォト)
旧統一教会幹部が韓国前大統領夫人に“高級ダイヤ贈賄”疑惑 教会が推進するカンボジア事業への支援が目的か 注目される韓国政界と教会との蜜月
週刊ポスト
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン